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いつわりの薔薇に抱かれて
2007-06-26 Tue 22:42
英田サキ 著 / イラスト 石原理
リブレ出版ビーボーイノベルズ 2007年6月発行

『エス』や『夜』シリーズを連想させる「極道系×刑事」モノですが、
前シリーズとはちょっと違う趣向の物語です。
一流ホテルの最高級スイートルームに宿泊する香港の青年実業家、アレックス・ウォン。部屋には専属のバトラー(執事)がついているのだが、他人に周りをうろつかれたくないとサービスを断ろうする。だがアレックスの部屋を担当するバトラー高峰は、何としても担当を外される事なく執事として彼の側にいる必要があった。高峰は、香港マフィアのトップであろうと目されるアレックスを監視する為、ホテルの従業員として潜入している現役の刑事だったのだ。

アレックスから難題を言いつけられる事に苛立ちながらも、執事としての自分を試されいるのだと平静を装って仕事に勤しもうとする高峰に、指導役のベテランバトラーは、刑事である事を忘れ「ウォンさまを大切な恋人だと思って接して下さい」と諭す。職務遂行のため、その忠告を実行しようと覚悟を決めた高峰だったが、アレックスが安眠のために協力してくれと言い出した事とは・・・。
アレックスから信頼を得ていくに従い、高峰の彼への感情は職務とは別のものに変化していく・・・。
香港マフィアの若きトップというと、『夜が蘇る』に登場した息子を誘拐されたママの兄を思い出します。でも、このお話では、アレックスがどの位凄いマフィアで、本国や日本のその筋にどれ程の影響力を持っているのか、今ひとつよくわかりません。舞台の殆どがホテルのスイートルームという私的で優雅な空間であるからなのでしょう。同じように、バトラーに徹しようと覚悟した後の高峰からも刑事らしさが感じられなくなります。中盤までは、ある種の大きな権力を持ちながら暗い影を背負い寂しさをまとうご主人様と、優しく誠実な執事とのラブストーリーです。

しかしその二人がマフィアと刑事として向き合わなければならくなる時、蜜月の時間は終わりを告げます。それでも高峰は刑事としてアレックスの為に出来る事に全力を尽くそうとします。ハッピーエンドではないのかもしれませんが、互いの立場を理解した上で、二人はその想いを共有出来たのではないでしょうか。

「何日君再来」いつの日、君また帰る・・・。父に捨てられ辛い子ども時代を送ったアレックスが、母親から聴かされていた歌。その話を聞いた高峰が口ずさむ場面で、思わず私も一緒に歌っちゃいました。昭和10年代、日中戦争下の「リリーマルレーン」と言われたというこの歌は、アレックスへの想いとともに高峰にとっても大切な歌になりましたが、英田さんもお好きだったんですね。実は、物語よりもこの歌のエピソードが印象の残っちゃいました。

春に放送されたドラマ『李香蘭』で上戸彩さんも歌ってましたが、私はその昔のドラマ化で李香蘭役だった沢口靖子さんの歌で初めて聴き、好きになりました。今では、テレサ・テンさんの中国語のアルバム『夜来香』に入っているのを聴いています。『いつわりの薔薇に抱かれて』とは直接関係ありませんが、この歌については、中薗英助さんの「何日君再来物語」に詳しく書かれています。
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