スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ↑top
小説版『王の男』
2007-01-16 Tue 00:22
キム・テウン原作 チェ・ソクファン脚本  
前川奈緒 編訳 角川文庫2006年11月発行

『王の男』の小説があると知って、原作なら読みたいと思って手にしたんですが、脚本を小説化したものでした。それはそれで、映画をもう一度観るような楽しみがありそうだと読んでみました。確かに映画にほぼ忠実に書かれていて、その上台詞だけでは解りにくかった登場人物の心情なども詳しく書き込まれていました。物語をより理解できて良かったのですが、自分が映画から受けた印象とは微妙に違うニュアンスの部分もあって、ちょっと複雑な気分にもなりました。

一番ショックだったのは、映画の感想でも触れたコンギルの窃盗事件の下りです。王の怒りを買って牢に繋がれたチャンセンが、刑吏に語って聞かせる昔話。それは、かつて屋敷に奉公していた時に起こった、奥様の指輪紛失事件についてでした。誰も犯人が名乗り出ないのでチャンセンは「自分が盗んだ」と言ってしまい、主人から今の様な酷い目にあわされた、という。それを密かに聞いていたコンギルは、王の前で人形劇に託して、「本当は自分が盗んだ」と告白したらチャンセンが一緒に逃げてくれた、という昔話を続けます。この話、映画見てそのままに信じてたんですが・・・。たぶん二人はそれぞれ貧しい家に生まれて、子どもの時に奉公に出された屋敷で知合い仲良くなった。子どもだったコンギルは、つい魔がさして美しいモノを手にとってしまったんじゃないかと・・・。

でも違ったんですね。ノクスの様に彼を陥れようとする者が、その時もいた。状況はコンギルに不利で、無実を証明出来るとは思えなかった彼は、先に名乗り出ていたチャンセンに「(君ではなく)自分が盗んだ」と告げた・・・。チャンセンもコンギルが犯人にされてしまうだろうと思ったから先に名乗り出た・・・。確かに、ノクスに仕組まれた今と同じ状況の方が、この昔語りは意味があります。なるほど、そうだったのか! でも映画からじゃ全然解りませんでした。何処でそんな説明があったんだろう? 字幕読みそこなったのかしら私? それともノクスの件があるから仕組まれた冤罪と理解するのが当たり前だったのか? コンギルさん「窃盗犯」と決めつけてしまって御免なさい・・・。

このあたり中々解り難いお話でしたが、そういう過去があるなら、コンギルが普段寡黙な理由もわかります。自分が真実を語っても、誰も信じてはくれない、という思いが心の底に常にあるのでしょう。多くを語らなくても信じてくれるのはチャンセンだけ。だから彼への受け答えが子どもみたいな時があるのかもしれないですね。そのかわり、最初から全てが虚構である芝居の台詞なら、何の不安もなく堂々と語れるし、即興で新たな虚構を生み出すことを恐れることもない、ということなのでしょう。虚構だからこそ、キワドイ下ネタでも明るく堂々と語れる訳ですね。

そうするとアレですか、これは小説読んでも解らなかったんですが、売春疑惑も私の勘違いなのもしれないですね。チャンセンが館の主と座長の様子からコンギルの危機を悟ったのは、これが初めてじゃないから、だと思ってたんです。それにあの年であれだけの芸をするという事は、子どもの頃から芸人生活を送っていたのでしょうから、今まで無事だったとは思えなかったんですが、考え過ぎだったでしょうか(汗) コンギルさんあなたの過去の罪は、人を殺めたかもしれない、ということだけです・・・。結構な重罪ですが。
スポンサーサイト
別窓 | BL周辺の作品 | コメント(2) | トラックバック(0) | ↑top
<<コミック版『王の男』 | ホーム | 王の男>>
コメント
■読みました
ヒトコさんこんにちは。私も王の男の原作本読みました。本を読んでもまた泣いてしまいました。
ヒトコさんの感想の通り、虚構の台詞ならなんでも言えるコンギル…唯一信じてもらえるのはチャンセンだけ。二人の信頼関係に嫉妬する王の孤独…胸がしめつけられます。

本の中でコンギルが自分は自分を売り物などにしない。何かを守るために差し出すことはあっても売ることはしない。…とあります。なので、ヒトコさんの思った通りではないでしょうか。私もあまりよく覚えてないのですが、映画の中で食べていくためには~のような台詞があったような気がするのですが。(記憶が定かでなくてすみません。)
お互いを思い遣り守らなくては…と思う気持ちに胸をうたれます。映画の中ではラストの台詞でほしいな~とおもったことばが本の中で書かれていて嬉しかったです。『…願わくば、同じ相方と』と(泣)また王も生まれ変わったら自分も芸人がいいと思った…ということも泣けます。映画をみた感じではわからなかったので。

一緒に観にいった友人はまったく腐の目では観てませんでしが(笑)二人の信頼関係に涙してました。
帰りに本屋の耽美コーナーにていろいろススメテしまいました(笑)
今はDVD化するのも早いですし、あと2、3ヶ月すればまたじっくりみれますね。
楽しみです。

ps…蝉しぐれいいですね。内野さんファンです。では長々と失礼しました。
2007-01-17 10:51 | URL | 美緒 #eDwyEylU | [内容変更]
■泣けますよね。
美緒さんも小説読まれたんですね。そうなんです、登場人物の気持ちが詳しく書かれているので、あらためてそれぞれの胸のうちを思うと泣けてくるところがあります。

>自分は自分を売り物などにしない。
>何かを守るために差し出すことはあっても売ることはしない。

チャンセンに「体を売るなら両班より、王の方がいいか?」といわれた時、胸のうちではそう言ってました。やっぱりそういう事あったのかもしれませんね。旅芸人の仲間が「食っていくためには嫁も売る世の中だ」といって、チャンセンを諦めさせようとしてましたが、映画を観ながら私も「そうだよねぇ」と思ってました(^^;)

ラストがまた泣けますよね。『…願わくば、同じ相方と』はっきりと言葉にされると、さらに胸に迫ってきます。読む度に泣けそうです。
私も、王が「生まれ変わるとしたら、自分も芸人がいい」と思っていたとは、映画では全くわかりませんでした。最後に王の表情が変わった時、こんな事態になってるのに、二人の芸を見て楽しんでいるんだと思っただけでした。でもそれだけで結構ジーンと来てました。

お友達、腐の目がなくても二人の信頼関係に感動されてたんですね。よかった!
腐の目なしだとどのように感じるのか、私にはもう想像できなくなっているので(汗)、一般の方はどういう感想を持たれるのか心配でした。でも、ひょっとするとお友達もいずれはこちらの道に来られたりして・・・。
DVD出たら買ってしまいそうなんですが、ダンナと息子に「これの何処がそんなに感動的なの?」と問いただされたどうしましょう(笑)
2007-01-17 15:58 | URL | ヒトコ #hHr8eLEw | [内容変更]
↑top
コメントの投稿














管理者だけに閲覧

↑top
トラックバック
この記事のトラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
↑top
| グラス・エイジ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。