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B.L.T
2006-10-09 Mon 15:37
木原音瀬 著/イラスト 稲荷家房之介(ビブロス ビーボーイノベルズ 2002年2月発行)
「ライン」(同人誌より再録) 「B.L.T」(書下ろし) を所収

現在進行形のシリーズ物以外で数年前に発行されたBL本って、普通の書店で見つける事はほぼ不可能に近いですし、ネットでも絶版品切れで手に入らない本が多いです。そんな時は古書店を頼るしたかないんですが、木原さんの本は古書店でも中々見つかりません。そんな中、幸運にもめぐり会ったのがこの一冊です。
「ライン」
大学生の北澤眞人は、アルバイトの面接に行った本屋で思いがけない人物と再会した。5年前、まだ中学生だった北澤に、通学中の電車内で痴漢行為を仕掛けた男、大宮。当時サラリーマンだった大宮が、今目の前に居る書店長だった。平然と面接を行う大宮に心を乱され、北澤の脳裏に決して忘れることが出来ない5年前の出来事が蘇った。
北澤は、痴漢行為を責めて大宮を脅し、食事を奢らせ欲しいものを買わせ、部屋にも入り浸って振り回した。ゲイであるの大宮は、そんな北澤に翻弄させられながらも、本気で愛しさを募らせていた。夏休み、両親の不仲で宮崎の祖母の元に行けなくなった北澤は、大宮に連れて行って欲しいと頼み、仕事さえ放棄させてしまった。二人の心は通じたかに思えたが、北澤はそのまま宮崎に留まり、その後大宮に連絡を取る事はなかった・・・。

「B.L.T」
一度は北澤のバイトを断ろうとした大宮だったが、結局自分からキッパリ断切る事ができない想いを抱えたまま、北澤をバイトとして迎え入れる事になった。平静を装って上司の顔をしていたが、しだいに今でも北澤に惹かれている気持ちを抑えきれなくなって行く大宮。二人はやがてその想いを確認し合う。しかし、今の大宮には同棲している恋人がいた。我儘でプライドが高い男、千博。自分は平気で浮気をしてきたくせに、大宮が他の男に心を奪われたと知ると、自殺を図ってまで繋ぎとめようとする。結局大宮は北澤に別れを告げるのだが・・・。
変わったタイトルだなぁ、と思ったのですが、「B.L.T」というのはベーコン・レタス・トマトのサンドイッチのことでした。大宮と千博の共通の知人である高野のカフェのメニューにもあり、大宮が唯一作れる料理(?)でもあります。千博の元彼でもある高野は、物語のキーパソンでもあります。

『セカンド・セレナーデ』の「水のナイフ」に登場する高校生の明智君などもそうでしたが、ひとのいい大人の男を翻弄する少年の、揺れ動く内面の脆さと残酷さがひしひしと伝わって来ます。「いい加減にせい。もちっと大人になれよ!」と思いつつ愛しくて切ないですね。だから、ほだされて振り回される大宮も情けないと思いつつ、その気持ちわからなくもないです。

千博への想いはすっかり冷めて、その執拗さに辟易して殺意さえ抱いても、結局すぐには別れる事も出来ない大宮。更に情けな度が増すわけですが、千博の自殺未遂の描き方が中々緊迫していて、大宮の中の残酷さや、それを引出してしまう千博の凄まじさが、思うに任せない人間感情のもつれを克明に表現していて、BLであることを忘れそうでした。

ラスト、物語を前向きな方向に導くのは、北澤の決断でした。でも、この二人が目出度く結ばれる日が来るのかどうか、それは明確ではありません。ただ、お子様だった北澤が、すっかり大人になって強くなったなぁ、とそれがとても清々しく感じられました。

木原さんの作品には、もはやBLではないのでは(良い意味で)、という感想を目にするものも多いです。私もそう思うんですが、では一般小説かと言われると、それも少し違う気がして、やっぱりBLといえばBLなんだろうなぁ、たぶん、と思うのです。

何処かのblogの感想で、「BLというジャンルではなくて、木原音瀬というジャンルを書いている」と書いていた方がいらしたんですが、それいいなぁ、とっても納得。私もそれに一票(?)です!
しっかりブックマークしないで読んでいたので、どなたのblogかわからなくなってしまったんですが、後でまた探してみます。

P.S.
上記のblogは「月と凌霄花」さんでした。
正確には「木原さんはBLを書いてるんじゃなくて、ただ木原さんというジャンルを貫く方なのだなと思いました。」と書いておられました。ほんとうにそう思います。

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