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箱の中・檻の外
2006-07-11 Tue 20:02
木原音瀬 著  イラスト 草間さかえ
蒼竜社 HOLLY NOVELS
『箱の中』2006年3月25日発行( オークラ出版「小説アイス」2004年1月号初出 )
『檻の外』2006年5月25日発行( オークラ出版「小説アイス」2004年5月号初出 )
初出誌は著者オフィシャルサイトで確認しました。

『箱の中』が発売になった時、書店平積みのBLノベルズの中で、草間さんの絵によるこの作品の表紙だけが、何か朴訥とした異質な雰囲気を醸し出していて、妙に心惹かれました。
うーん、でも、刑務所モノというのが引っかかって、手には取ってみたものの購入には至りませんでした。その後続編が出て、「二人とも無事刑期を終えたんだ、よかったね」という所まではチェックしていたんですが、気に掛かりつつ読まないリストに入れていました。

ところが続編が出たあたりから、複数の書評サイトさんで絶賛されいるのを目にするようになりました。2006年折返し地点の現段階で、今年のベスト5上位に入る事必至という方、充実した読後感を味わえた方が多くいらしたようです。特に、いつもお伺いしてる「ゲイ&腐男子のBL読書ブログ」さんの感想を読んで、是非この作品を読んでみたいと思いました。という事で、人様の感想に押されて、これはやっぱり読んでみたいと、2冊まとめて買ってきました。
『箱の中』・・・ 市役所に勤務していた堂野祟文は、痴漢と間違われて逮捕され、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。服役中、雑居房での受刑者たちとの生活に馴染めずにいる中、「自分も冤罪だ」と言って近づいて来た同室者に心を許すが、騙されて疑心暗鬼に陥ってしまう。そんな堂野に近づいて来たのは、無口で孤立している様に見えた殺人犯の喜多川圭だった。見返りを求めず無言で傷ついた自分を慰めてくれた喜多川に、堂野はその孤独を理解し寄り添いたいという思いを抱くようになる。喜多川はそんな堂野にべったりと懐くようになるが、それは友情を超えた執着となっていった。堂野はその想いを受止め切れぬまま、連絡先も告げずに出所した。時は流れ喜多川も出所する日がやって来たが、社会復帰して結婚し、やがて父親になる事になっていた堂野には、友情以上の気持ちを持つであろう彼を迎えに行く勇気がなかった。
『檻の外』・・・ 別れから6年経ったある日、堂野は、自宅近くの公園で喜多川と再会した。「やっと、やっと見つけた」「話したいことが沢山あるんだ」と言い募る喜多川に、既に妻子持ちとなっていた堂野は、躊躇しつつも住所を告げる。程なく近所に移り住んできた喜多川を、堂野は友人としてして家に招き入れるようになるが、思わぬ悲劇が堂野の娘に襲いかかり、家庭は崩壊していく・・・。
良かったです。BL業界、こういう作品、作家さんが出て来るって事は、まだまだ捨てたもんじゃありません。有り得ないかもしれないけれど、人が文学の中に追い求める純愛のカタチ、それを地道な生活の中に描き、30年近い時の流れの経て、二人が添い遂げた生き様を肯定している物語です。色々と辛い出来事も起こりますが、最終的に二人は幸せだったと思える、心温まる読後感を得られる作品でした。

『箱の中』は表題作の他、出所後に生活の全てを賭けて堂野を探す喜多川を探偵の目から描いた『脆弱な詐欺師』『それから、のちの・・・』が、『檻の外』には、二人暮らしを描いた『雨の日』『なつやすみ』が所収されています。特に物語の締めくくりとなる『なつやすみ』は泣けました。BL的シーンは全部『雨の日』に任せて、最後は二人の穏やかで揺るぎない愛のカタチを物語っていました。

人の孤独が何処から来るのか、それを埋めるために何を求めるのか。恐れとプライドから孤立する痛々しいさと、他者を受け入れていく勇気と思いやり。BL作品でも重要な要素となるテーマですが、この作品ではそういう思いが、せつなくヒシヒシと伝わって来ました。小説として読ませる作品です。
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コメント
■TBありがとうございます
 私も刑務所物という設定優先の話だと思い、今まで読まずに来ましたが、むしろその後の、「再生」という部分が強く出ていてすばらしいと思いました。
 もう、何度も読み返してしまっています。
2006-12-29 00:11 | URL | カツミアオイ #fkO8lLoA | [内容変更]
カツミアオイさん、はじめまして。
こちらこそTBありがとうございました。
私も最初は刑務所という設定を敬遠していた所がありましたが、
2冊続けて読んで良かったです。
多くの方が今年のベスト1に選んでらっしゃる気持ち、よくわります。
2006-12-29 03:35 | URL | ヒトコ #hHr8eLEw | [内容変更]
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箱の中 檻の外(BL小説・感想)
箱の中 檻の外(BL小説・感想)
 書評のほうにUPしても良いのですがね。 評判を聞いて、&#39;&#39;&#39;テスト明けひゃほーい!&#39;&#39;&#39;と買ってきたはいいものの、いやー、23時に読み始めて一気に3時間読みふけってしまいましたよ。 こういう形の、ページをめくる手が止まらないのは久しぶ
EncycRopIdia ~漫画・映画・書評・グルメなどなど 2006/12/27 03:51
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