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ボーイズラブ小説の書き方
2006-02-20 Mon 13:43
花丸編集部・編 2004/8/25 発行 白泉社

表題通りの内容です。プロのボーイズラブ小説書きを目指す人、特にその足掛かりとして小説花丸へ投稿する人に向けたハウツー本です。編集者として、多くの読者に受け入れられる作品を書くためのノウハウや投稿への心構えなどが書かれています。

しかしながら、
本書に書いてあることにすべて従うことはありません。
本書に書いてあるのは、あくまでも最大公約数だからです。
ハウツーのすべてに添っていれば、必ずおもしろくなるというわけではい、
逆にハウツーに反しても、おもしろいものはおもしろい・・・。
名作というのは、しばしば掟破りで登場するものなのです。
という当然といえば至極当然のことが、前書きに書かれています。では「すべてに従うことはありません」というノウハウを、誰に向かって書いているのでしょうか。奇しくも本書発行の2004年、このジャンルの先達といっていい「小説JUNE」が実質休刊となりました。そこに、ボーイズラブの裾野の広がりと、このジャンルの時代の変遷を感じました。
そもそもボーイズラブ小説とは何なのか、というところで、「やおい」「JUNE」と「ボーイズラブ」を同じものと言っていいのか、違うのならそれはどういうところなのか、というのは難しい問題であるとしています。そこで本書では独自に、次の3点をボーイズラブ小説と定義しています。
1. ボーイズラブ小説とは、男性同士の恋愛小説である。
2. 書き手も読み手のほとんど女性という点で、ゲイノベルとは一線を画す。
3. 形式としては少女小説、精神としては少女マンガの流れを汲んでいる。
ただし、これを統一的な定義として広めるつもりもないとも書いています。これはあくまで本書、つまりは「小説花丸」編集部での基準なのです。

次にいよいよボーイズラブ小説を書く為のノウハウが語られるのかと思うと、初級編は基本的な小説の書き方です。小説以前に文章の書き方や構成、原稿の書き方など、ボーイズラブ小説に限らない、一般的に参考になる基本も多く書かれています。実に本書の3分の1以上、半分に近いページ数がこの初級編に費やされています。つまり編集部が投稿者に最も訴えたい事はこれなんですね。こういう事まで説明しなくてはならない若い世代の人や、あまり文章を書き込んでいない人が、いきなり投稿してみようと思うほど、ボーイズラブ小説を書く事への敷居が低くなったという事でもあるのでしょうね。

そして本書が言う「ボーイズラブ小説で最も大切なこと」は
書き手であるあなたの萌えを、読み手へきちんと伝えること
なのだそうです。「萌え」とは具体的に何なのかが、また難しいような気もします。その対象へのトキメキとか熱き想いでしょうか。確かに作者の想いが伝わらない様な作品では面白くありません。それを伝える為の具体的ノウハウが上級編という感じになります。

前書きで最初に「ボーイズラブ」と「JUNE」は同じではない、と宣言されています。ですから比べても意味がないのでしょうが、中島梓さんの「小説道場」に色々と考えさせられた私にとっては、同じジャンルの流れを汲む作品(と私は思っていた)について書きながら、その対極にあるような内容に思えました。私が思うJUNE小説とボーイズラブ小説はやっぱり別物なんだなぁ、と認識させられる本でした。

商業出版である以上、売れる事は重要な要素ではあります。でも、このジャンルの小説に求められるのはそれだけなのだろうか。単に「萌」だけを上手に伝えられれは良いのだろうか。「小説JUNE」が休刊してしまった今、胸の内を揺さぶられるような作品にはもう出会えなくなるかも、と少し寂しくなりました。

ただ、本書の中で言われている様に、今の時代「恋愛至上主義というのはボーイズラブだからこそ説得力をもつ」というのは、このジャンルがここまで広がった大きな理由のひとつだと、私も思います。世の中全体がもっとシンプルだった時代ならともかく、混沌とした現代に真正面から男女間の恋愛至上主義をやっても嘘臭くなる。かつては少女マンガが担ったそのラブファンタジーを今ボーイズラブ引継いでいる、というもの頷けます。

そして、あとがきにまた「本書に書いてあることにすべて従うことはありません」ということが念押しの様に書かれています。
ここに書かれていることに反しているけれど、それを超えるほどの限りない魅力と萌えに溢れている・・・・
編集部が求めているのは、むしろそうした作品なのです。
それが編集者の本当の本音なのでしょう。さらに、投稿するからには直木賞を取るくらいの気概を持って欲しいとも書いています。私もそういう新人作家が出てきたら嬉しいです。でも「萌」だけは直木賞は無理の様な気がします(笑)

アキミさんの「ボーイズラブを読む!」へTBさせていただきます。
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コメント
■なるほど。
私実はBL小説に挑戦してるんですけど、いまいちよく「萌え」の伝え方がわかんないんですよ・・・。
2008-10-31 17:52 | URL | 抹茶 #- | [内容変更]
抹茶さん、BL小説に挑戦してらっしゃるんですか。頑張ってください!
私は小説書けないので、もっぱら読む専門なんですが、
「萌え」の伝え方っていっても難しいですよね。

読み手としては、登場人物が互いの関係性の中でしか感じることが出来ない、その相手あってこその思いを、どんな趣向で読ませてくれるのかが楽しみです。
2008-11-03 00:02 | URL | ヒトコ #hHr8eLEw | [内容変更]
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