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寒冷前線コンダクター ( 富士見二丁目交響楽団シリーズ )
2006-02-10 Fri 23:54
秋月こお 著  イラスト 西炯子
角川書店ルビー文庫 1994年4月発行

表題作でもある第1話「寒冷前線コンダクター」が小説JUNE57号(1992年10月号)に掲載されてから続く人気シリーズの第1巻。表題作の他、「D線上のアリア」( 小説JUNE60号1993年4月号 掲載 )を所収。著者の秋月さんは、中島梓の小説道場出身で1989年小説JUNE12月号でデビュー。通称フジミと呼ばれるこのシーリーズの他にも、数多くのBL系作品を発表している実力派人気作家です。フジミシリーズは、小説JUNEが休刊状態になってからも、ルビー文庫やハードカバー本書下ろしで物語は続行中です。(イラストは後藤星さんに代わっています)

実は、パソ通でお知り合いになった秋月さんファンの方にこのシリーズを紹介されたのが、BL系作品にハマるきっかけでした。二次創作の「やおい」は知っていても、オリジナルのBL系作品は全く知らなかった私が興味を持ったのは、女性作家が女性読者に向けて書くベッドシーンでした。男性作家が書いた官能小説を少し読んだことがありましたが、描かれている女性が何とも男性に都合がよい良い女で、「こんな女いねぇよ」と納得いかない思いをしました。それがずっと引っ掛かっていたので、女性が女性のためにかく官能シーンってどんなものかと思ったのです。

そんな邪な理由で手に取った本書、ベッドシーンは普通の官能小説以上にあり得ないものでしたが、不愉快なものではありませんでした。逆に男性が読んだら「こんな男いねぇよ」と納得いかない事でしょうが、そこらあたりのセクシャルファンタジーに対する男女の感じ方の違いが、BL作品を必要とする女性読者を増やすのでしょう。そして私もそのひとりになった訳です。

さて物語は、主人公守村悠季がコンサートマスターを務める富士見交響楽団(フジミ)に、芸大出で留学帰りという桐ノ院圭が指揮者としてやって来くる所から始まります。私立の音大は出たけれど、臨時採用の音楽教師になるより道がなかった自分に比べ、年下(半年ですが)なのに才能も自信も人望もある圭に、嫉妬と羨望の入り混じった苛立ちを感じます。しだいに圭に対する反感を強めるとともに、演奏者としても楽団員としても自信を喪失していく悠季は、自分が楽団を辞める事を考えるようになります。そこに至るまでの出来事や心理描写がとてもリアルに描かれていて、どんどん悠季に感情移入して行きました。

そして終に煮詰まった悠季が楽団を辞める事を圭に告げた時、悠季に恋する余り思い詰めていた圭は、強姦という暴挙にでてしまいます。そんな事、実際はシリアスな展開な筈なのに、急転直下何だかコミカルとさえ云える展開になって行き、圭が案外子どもっぽくて可愛い奴なんだと、悠季も、そして読者も気が付きます。圭の気持ちは受入れられないけれど、結局彼の行為は許して、共にフジミを盛り上げて行こうという結論に達し、楽団の運営と絡めながら圭と悠季の恋愛模様が描かれていく事になります。

「寒冷前線コンダクター」のラストで、悠季はフジミ団員である意中の女性川島さんに告白して、きっぱりと振られてしまいます。その上、実は圭に好意を寄せて断られていた川島さんは、圭の悠季に対する気持ちを知っていて、逆にそっちを応援されてしまいます。川島さんが圭を好きだった事は悠季も知っていて、あえて振られる為に告白した様なのもだったのですが、踏ん切りが着いた様な悠季より、川島さんの方が辛かったかもしませんね。でもこの先、川島さんは悠季と圭の良き理解者のひとりとなります。川島奈津子さん、格好良い女性です。

「D線上のアリア」は、新入団員の大学生八坂に悠季がひどりセクハラを受ける話です。演奏もイマイチなのにあまり練習熱心でない八坂に、親切にも個人レッスンをしてやる悠季ですが、何を勘違いしたのか八坂に恩を仇で返すような仕打ちをされてしまいます。思わず圭に助けを求めてしまう悠季ですが、圭は物凄い勢いで八坂に報復に行きます。

悠季は、圭とそいう関係を持ってしまった為に、男性からも性的対象として見られるようになったのか、とにかく災難な事でしたが、その後を全く描かれない八坂も、あれからどうしたんだろと気になる所です。

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