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映画「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」
2009-04-28 Tue 02:21
監督・脚本 ミン・ギュドン(韓国公開2008年11月)
よしながふみさんの同名漫画を原作とする韓国の実写映画で、日本では今月18日から公開されています。

よしなが作品の映画化ということで公開を楽しみにしていました。そのうちレディースデイにでもと思っていたんですが、ちょうど休みだったので、急遽観に行ってきました。日曜からのニュースでお聞き及びと思いますが、主演俳優さんが麻薬使用で書類送検されるというショッキングな出来事があり、上映打切りになる可能性もあるのかな、と思いまして…。

そんな残念な状況ではありますが、映画は中々良かったです。日本でTVドラマ化された作品より原作に忠実な物語で、ドラマでは単なる女性恐怖症みたいな扱いになっていた天才パティシエも、ちゃんと魔性のゲイという設定になってました。
あらすじ ( )内は原作での名前

良家の子息として育ったジニョク(橘)は、ある日突然勤めていた会社を辞め、洋菓子店を経営すると家族に宣言した。パティシエとして雇ったソヌ(小野)は、ジニョクとは高校時代のクラスメイトで、卒業式の日に告白してきたゲイだった。女嫌いのソヌのせいで、他の従業員も男性のみを募集する羽目になってしまったが、そこに応募してきたのが元ボクサーのギボム(神田)だった。彼はソヌの作るケーキの味に惚れ込み、ソヌを先生と仰いでパティシエ見習として働く事になった。

開店から間もなく、サングラスの怪しい男が店に現れた。彼はジニョクを「若」と慕う使用人の息子スヨン(千影)、しかも仕事の邪魔にしかならない不器用な男だった。この4人が働く「アンティーク」は、天才パティシエソヌのケーキとオーナージニョクの接客で軌道に乗り始めるのだが…。
原作通り、ソヌ(小野)の告白にジニョク(橘)が酷い言葉を返すところから映画は始まります。そして開店後は、少年の誘拐事件やら、天才パティシエ引抜き騒動やらが起こりますが、ギボム(神田)のボクサー時代の話やスヨン(千影)の娘の話などは端折りつつ、この店を出した理由でもあるジニョクの子ども時代に起きた事件の確信に迫って行きます。途中、映画「嫌われ松子」だかクドカンだかと思うようなミュージカルな演出が何でしたが、原作の物語を2時間弱に上手く纏めていると思いました。

本当に大変な事になって残念ですが、映画の上映はこのまま続行されるといいのになぁ、と思います。とりあえず現時点では打切りのアナウンスは無いみたいですが…。

P.S.
シネカノン有楽町公式サイトのお知らせによりますと、当初予定通りの期日まで上映されるようです。東京では、シネカノン有楽町1丁目が5月22日まで、恵比寿ガーデンシネマが5月15日まで、の予定だそうです。
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劉備くん 青天の赤壁
2009-04-25 Sat 16:31
白井恵理子 著 メディアファクトリー2009年4月発売

小説JUNEに1987年から連載していた「STOP劉備くん!」の続編というか、同じく三国志の英雄たちが、可愛らしいチビキャラで時事ネタなどのギャグを披露してくれる4コマ漫画です。今作の初出は「YAHOO!コミック」での連載分が中心で、このシリーズは既に下記2巻も刊行されています。

「劉備くん'08春 桃園畑でつかまえて」2008年2月刊
「劉備くん それゆけ赤壁オリンピック」2008年11月刊

「青天の赤壁 」には、現在「YAHOO!コミック」掲載分に加え未発表の最新作も収められていますが、何と半分以上が「レッドクリフ」ネタです。しかも「II」ネタまであります! 今月10日に公開されたばかりなのに、白井さん何時ご覧になって描かれたんでしょうね、ビックリです。やっぱりそこは突っ込み処だよね、というネタが満載で、映画を観た方は楽しめること請け合いです。

それからキャラ紹介の絵も後半は「レッドクリフ」仕様で、白井三国志のキャラ達を映画の扮装で描いて下さってます。何というか、白井三国志キャラの「レッドクリフ」コスプレみたいな感じですので、一見の価値ありです。現在「YAHOO!コミック」掲載分は「レッドクリフ」仕様の趙雲子竜くん、カッコ可愛いです。白井キャラでは、いつも劉備の息子阿斗様を背負っていて、まじめな良い子です。「私説三国志」で孔明さん好きになった私ですが、「劉備くん」で趙雲ファンにもなりました。「レッドクリフ」の趙雲も格好良かったです。

さて「青天の赤壁 」、ネタは「レッドクリフ」でも本編は白井キャラになっていますので、皆さん相変わらずお間抜けでいつもの性格です。映画ではあんなに素敵に描かれている周瑜も、こちらでは妻の尻に敷かれている可哀想な人なので、つまり小喬もそういう奥様です。こちらでは恐妻家の曹操も、小喬の行動には辟易です(^^;)  映画を観て落込む劉備・曹操・孫権の三英雄も哀れを誘います(笑)

そんな訳で、映画を未だご覧になって無い方は、よく解らなかったりネタばれだったりするお話もありますので、ご注意下さいませ。何せ映画と「演義」では色々と別のエピソードがありますので。ちなみに「II」の感想は母屋のblogにも書いてます。
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「私説三国志 天の華・地の風」 書誌情報など
2009-04-15 Wed 01:03
先日「レッドクリフII」を観てきました。なかなか見応えがあって、面白かったです。
「Ⅰ」では戦闘シーンでちょっと睡魔に襲われましたが、今回は眠くなる間もない展開でした。孔明さんと周瑜との関係は、最後まで「三国志演義」とも、もちろん「私説三国志」とも違っていましたが、この映画単独で見たら、多くの犠牲の果てに辿り着いた、きれいな終わり方で良かったのかもしれません…。

「II」の公開直前に、登録してる復刊ドットコムから「私説三国志」ご紹介メールが来ました。「I」公開の時は、BL系本の復刊リクエストしてなかったからか、こんなに三国志で盛り上がると予想されなかったからか、お知らせありませんでした。でも映画観てすっかり三国志マイブームなったおかげで、全巻買ってしまいましたけれど。

そんな訳で、最近三国志マイブーム仲間になられた方の参考までに、改めて書誌情報など書き出してみました。

「私説三国志 天の華・地の風」完全版
江森備 著 ブッキング発行 全10巻(旧版 光風社出版 全9巻)

1巻 2007年7月発行(旧版1986年12月初版)
  第一話「わが天空の龍は淵にひそみて」(小説JUNE1985年6・8月初出)
    赤壁の戦いに向け周瑜との駆け引きから、呉よりの脱出まで。
  第二話「沫雪は千重に降り敷け」(小説JUNE1985年10・12月初出)
    赤壁の戦いから、周瑜の死まで。

2巻 2007年7月発行(旧版1987年1月初版)
  第三話「上邪 我れ君と相知り」(小説JUNE1986年4月~10月初出)
    呉との対立から、蜀へ向かうまで。

3巻 2007年9月発行(旧版1990年12月初版)
  第四話「彼の蒼なるものの名は(一)」(小説JUNE1989年6月~90年2月初出)
    関羽が荊州で窮地に陥るまでと、魏延との関わりなど孔明の回想。

4巻 2007年12月発行(旧版1990年12月初版)
  第四話「彼の蒼なるものの名は(二)」(小説JUNE1990年4月~6月初出)
    関羽敗走から劉備の死までと、孔明の回想。

5巻 2007年12月発行(旧版1993年6月初版)
  第五話「明き星天狼を見よ」(小説JUNE1992年4月~93年1月初出)
    南蛮夷との攻防。

6巻 2008年1月発行(旧版1998年5月初版)
  第六話「ゆけ黄金の翼(一)」(旧版初出)
    北伐。出師から馬謖の事まで。

7巻 2008年2月発行(旧版1998年7月初版)
  第六話「ゆけ黄金の翼(二)」(旧版初出)
    第二次北伐に向け、反対勢力との対立など。

8巻 2008年3月発行(旧版1998年9月初版)
  第六話「ゆけ黄金の翼(三)」(旧版初出)
    北伐の最中、劉禅周辺からの疑念、司馬仲達の動向など。

9巻 2008年4月発行(旧版1998年11月初版)
  第六話「ゆけ黄金の翼(四)」(旧版初出)
    後継者とすべき姜維の思惑、そして最後の北伐へ。

10巻 2008年4月発行(旧版1998年11月初版9巻)
  第六話「ゆけ黄金の翼(五)」(旧版9巻初出)
    五丈原へ…。
  外伝「死者たちの昏き迷宮」
    (角川書店1995年6月発行「妖花―ルビーアンソロジー」所収)
    あの世での孔明弾劾裁判? の話。
  外伝「桃始笑」(マガジン・マガジン1995年11月発行「JUNE全集10巻」所収)
    三顧の礼直後の劉備との話。

以上、すごく簡単に内容も紹介してみました。
三国志全体の流れは、白井恵理子さんの「超ウルトラダイジェスト版『三国志』あらすじ」など参考にいかがでしょうか。本当に超簡潔ですが、結局そういうことよね、と納得です。

白井さんの「劉備くん」といえば、孔明さんの呉の兄上が、弟にコンプレックス持っていてすぐにイジイジするキャラとして登場するんですが、「レッドクリフ」では存在さえ匂わせる事もなく、全く登場しませんでした。無視された兄上は地中深く穴を掘って埋まっていることでしょう(笑) 

「演義」では長身で不美人な上に発明好きの変わった女性ということになってる孔明の奥様も、映画には出てきませんでしたね。「二喬」と言われた美人姉妹だったのに、小喬のお姉さんの大喬も出てきません。孔明夫人も大喬も「劉備くん」には出てくるのに…。

そん訳で色々と「演義」とは違っている所も多かった「レッドクリフ」ですが、上手にエピソードを拾っている所もありました。「苦肉の計」とか実際には行われないんだけど、それがこの映画での周瑜さんの株を上げてました。

逆に映画オリジナルなエピソードでは、兵法といえば孫子なのは解りますが、「風林火山」の話は日本人が見たらまず甲斐の武田軍団思い浮かべちゃうのが、ちょっとなぁと思いました。三国志の方が本家本元の中国な上に、武田信玄より千年以上も古いんですけどね…。

それにしても、周瑜の孔明への感情というのは、「レッドクリフ」みたいな爽やかなものではなくて、「演義」のような狭量とも違って、 「私説三国志」にあるような情愛と嫉妬と憎悪とに満ちた複雑なものである方が、グッときますね。
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映像化される漫画作品
2009-04-12 Sun 01:51
BL作品の話題ではありませんが、よしながふみさんの漫画「大奥」の実写映画化が決まったそうです。こちらの記事で確認したのですが、「木更津キャッツアイ」の金子文紀さんが監督されるそうです。撮影は来年春開始らしいですが、公開日や出演者は未定とのこと。楽しみの様な、不安の様な…。

よしなが作品と言えば、韓国映画「西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」が18日(土)から公開になります。公式サイトはこちらです。日本では2001年にフジTVでドラマ化されて、昨年はアニメ化もされました。今回の実写映画は韓国の作品ということで、どんな雰囲気に仕上がっているのか興味があります。観に行っちゃおうかしら。

漫画作品といえば、今月放送開始の深夜アニメでは、三国志漫画の「蒼天航路」(日本TV系火曜深夜)、オノ・ナツメさん原作「リストランテ・パラディーゾ」(フジTV系水曜深夜)を見ました。「蒼天航路」は原作の最初の方を全く読んでないので、若き日の曹操がどう描かれているのか、ちょっと楽しみにしています。原作の絵柄はちょっと苦手でしたが、アニメ絵では登場人物についてはそれも少し緩和されているのがいいです。血を見る展開が多いのはどうしょうもないですが・・・。「リストランテ…」も原作1巻しか読んでないので、今後を楽しみにしています。
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富女子宣言
2009-04-06 Mon 20:24
斎藤ミツさん&文尾実洋さんの「ゼロアカ道場」挑戦ブログ「BL・やおい文学研究所」に興味深い記事が書かれています。このブログは、東浩紀と太田克史のプロデュースによる批評家選考&育成企画「ゼロアカ道場」の関門突破を目指すお二人の活動報告の場です。この記事にある斎藤ミツさんの「富女子宣言」、動画はこちらからご覧なれます。

このジャンルのファンの中から生まれた「腐女子」という呼称が、ここ1・2年でやけに一般化して、悪く言えば手垢が付いてしまった様で、ちょっと複雑な思いでした。そこへ「富女子」という新呼称を、斎藤さんは提唱されているのです。自分がすぐさまこの呼称を採用しようという決心は出来ませんが(笑)、拝見して何だか胸の空く思いでした。

斎藤さんは宣言の中で、このジャンルが生まれた理由として「トランスジェンダー」をあげておられます。榊原史保美さんも「やおい幻論」の中で、同じ理由を書かれていましたね。私は個人的にこの路線ではないんですが、江戸文化の中にその源流を求める話は興味深かったです。

この動画の情報は、葡萄爪さんの「腐女子言端の内と外」で知りました。
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「平家物語」もBLに満ちている?
2009-04-05 Sun 20:54
「源平紅雪綺譚」を読んで、懐かしい古典「平家物語」を久しぶりに手に取ってみました。実は10代~20代の頃ハマっていました。小学生の頃見たTV時代劇「女人平家」や「新・平家物語」で源平時代にハマって、その後中学生の頃に教育TVで放送していた「平家物語」講座を見て、古典平家の魅力を知りました。番組の中で朗読される原文の、流れるようなテンポの美しさが良かったんです。さすが平曲として語られたというだけあって、耳で聞いてたのしむ古典文学だなぁ、と思ったものです。

その頃は、冒頭の「祇園精舎の鐘の声…」やら高倉天皇と小督の悲恋やらに心を惹かれていましたが、今にして思えば、主従を中心に男同志の強い絆とか深い情愛を物語る逸話の多い古典作品でもありました。木曽義仲と今井四朗、平知盛と平内左衛門家長のように、その最後をともにする乳兄弟主従というのも見逃せません。ダ・ヴィンチの2月号特集「世界はBLに満ちている」で、三浦しをんさんと松岡なつきさんの対談でも、BLが匂う作品として「平家物語」を取り上げてらっしゃいました。

世阿弥が能の題材にし、歌舞伎にもなっている「俊寛」の話も印象深いです。打倒平家の企てをした鹿ケ谷の陰謀が発覚して、藤原成経・平康頼とともに鬼界ヶ島に流罪となった俊寛僧都は、平清盛の娘徳子に皇子が誕生した恩赦でも、ひとり許されず島に残されました。そんな彼のもとへ、侍童であった有王が、遥々都から訪ねて行きます。苦労を重ねて島に辿り着き、やっとの事で探し当てた主は、痩せ衰えて見る影もなく、やがて自ら食を断って命を落とします。その最後を看取り、遺骨を胸に帰京した有王は、遺族の行く末を見届けた後に出家し、俊寛の菩提を弔いながら諸国修行の旅に出るのでした…。

それから平家側では、平重盛の嫡子維盛の話も哀れです。清盛の直孫にもかかわらず、平家一門の中で孤立していた維盛は、一の谷敗戦の後、高野山で出家し入水自殺しています。その時、8歳から彼に仕えていたという石童丸という少年が、共に髪を下ろし、主の後を追って入水しています。死後も傍近く仕えようという心映えは何と深い想いなのでしょう…。

もちろん俊寛にも維盛にも妻子があり、ともに自らの死にあたって家族の行く末が一番の心残りである、という記述があります。有王や石童丸も主のその思いをともに心に掛けています。しかし、妻子への思いとはまた別に、生死をともにする主従の関係には、時に家族以上の絆を感じます。

少年たちの物語もさることながら、壇ノ浦敗戦の折、次々入水していく平家の人々の中で印象的だったのは、「兄弟手に手を取り組み、鎧の上に碇を負うて、海にぞ沈み給ひける。」と書かれている、清盛の弟、経盛と教盛です。経盛は「源平紅雪綺譚」の敦盛や経正の父で、教盛は壇ノ浦で義経を追い詰めた能登守教経の父です。共に孫もいるような老兄弟なんですよね。この後に維盛の弟たちと従弟も「手に手を取り組んで」となるわけですが、この孫世代よりも、清盛亡き後は一門の重鎮であり、平家の栄枯盛衰をつぶさに見て来ただろう老兄弟に、公私を通じて長年苦楽を共にした二人ならではの、互いへの情愛を感じるのです。

他にも諸々あったかもしれませんが、今も忘れ難いのはこの三つのエピソードです。特に有王の話は、能や歌舞伎にもなるだけあって、ドラマチックでした。平家にハマったばかりの頃は、有王の忠義に心打たれたものですが、BLに目覚めてからは、何としても俊寛に会おうとする心情に鬼気迫るを感じる様になりました。何か忠義を超えていますよね。
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源平紅雪綺譚
2009-04-02 Thu 22:24
大竹直子 著 小池書院 2007年11月発行

1996年10月発行「花洛夢がたり 源平紅雪綺譚」(角川あすかコミックDX)所収の「青蓮華」「源平紅雪綺譚」「遮那王宵月夜」と、その後発表された「紅顔受難」「北京的孌童」の2作品を収録しています。全作初出は角川ミステリー増刊歴史ロマンDXで、前3作品は1994年、後2作品は2001年の掲載でした。

大竹さんの作品、ここでは感想を書いてませんが、足利義満と鬼夜叉(後の世阿弥)や牛若丸と弁慶のお話などを収録した「秘すれば花」(小池書院 2008年11月発行)を昨年読んで、その絵の美しさと歴史上の人物を扱う面白さに強く惹かれました。ということで、珍しく下に表紙の画像を紹介しています。

どちらの本にも、日本の歴史にはよく登場する稚児の話が出てきますが、BL的な要素は「秘すれば花」の方が濃かったように思います。牛若丸の話「乱刃」では、何と弁慶が受けです! 日本史上に衆道系の逸話は色々あるでしょうが、稚児が攻めって無いでしょうね、その意外性も面白かったです。足利義満と世阿弥の関係は有名で、杉本苑子さんも「華の碑文」という作品に書いています。この「華の碑文」、以前神保町の書泉ブックマートで、BLコーナーに平積みされいるのを見つけて読みました…。

さて「源平紅雪綺譚」の方ですが、本のタイトルにこれを冠している通り、「北京的・・」以外は源平時代のお話です。表題作は、熊谷次郎直実と平敦盛の話に、義経と敦盛の関わりを絡めたお話で、美少年に心乱される男の話ではありますが、それ以上の場面はありません。そのかわりコミカルな要素の作品「紅顔受難」では、直実に討たれる直前にヤラれちゃった敦盛が、それを恨んで化けて出ています。とても可愛らしい幽霊です。

ちなみに「源平紅雪綺譚」で脇役として登場する弁慶は、「乱刃」の現代的にカッコいい弁慶と違って、顔の真ん中に十字傷のあるイカツイ顔の人物となっております。大竹さん好みの弁慶は、こちらの弁慶らしいですが…。

「遮那王宵月夜」は遮那王こと牛若丸が、源氏の血を引く自分の出生を知って、平家を倒すために鞍馬山を出るまでのお話です。遮那王は鞍馬で稚児修行をしていた時の義経の名前ですが、男女未分化な稚児という立場から男になって行くお話でもあります。遊女を誘い込む堕落した僧と、その僧の慰み者にもなりかねない我が身の上や、敵将である平清盛の妾となった母常盤への思い、遮那王を救った鞍馬の女天狗との関わりなど、男女それぞれの闘い方が描かれています。

そして作品中もっとBL的要素を含んでいるのは、仁和寺の稚児であった平経正(清盛の甥で敦盛の兄)と、その師である法親王から賜った琵琶青山にまつわる物語「青蓮華」。この作品は、古典平家物語にある「経正の都落の事」と、それに続く「青山の沙汰の事」を元にした、切なく美しい物語です。稚児時代の師との関係に悩みながらも、都を去って戦いに赴くにあたり、名器青山を賜った恩と師への想いを胸に、仁和寺に別れを告げに行く経正の姿を描いています。

古典平家にも、「(法親王が)仁和寺の御室の御所へ参らせた給ひたりしを、この経正最愛の童形たるによって、(青山を)下し賜はられたりけるとかや。」とあります。また、経正が青山を返しに行った仁和寺を去る場面で、巻いて持っていた赤旗(平家の旗)をさっと掲げると、そこここに控えていた兵たちが集まり、経正に付き従って都落ちして行く様子を、古典は鮮やかに描いているのですが、「青蓮華」は最後の頁でそれを叙情的に描いています。

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大竹さんの他の作品といえば、「しのぶれど」(小池書院)が、つい先日書店に並んだばかりですね。こちらは戦前の陸軍士官学校が舞台になっている様です。軍服の青年将校というのも、捨て難い魅力があると思います。

※「北京的孌童」ですが、「孌」が環境依存文字なので読めない場合もあると思われますが、「戀」の下の「心」が「女」になっている字です。音読みではレンと読むらしく、女という意味だそうですが、レンドウ?なのでしょうか…。
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