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美男の達人
2008-07-24 Thu 23:11
小林典雅 著 / イラスト 高峰顕
白泉社花丸文庫 2008年6月25日発行

小林典雅さん、初読み作家さんです。この作品、書店に平積みされていた発売当初、ちょっと意表を突くタイトルと印象に残るペンネームで目に留まったんですが、ここしばらく何となく花丸文庫から遠ざかっていたのでスルーしちゃってました。ところが先日「30半ばにしてやおいにハマる」のlucindaさんのレビューを拝見して、これは面白そう是非読んでみたいと書店を探しました。いつもの書店は既に売切れだったんですが、もう一軒の方に何とか一冊あったのでラッキーでした。
郵便局勤務3年目の上遠野瑛士は、メル友の女性に振られた職場の先輩に無理やりさそわれ、モテたい男性の為の「美男塾」なるものの説明会に行くことになってしまった。当初入塾するつもりなど無かった瑛士だったが、説明会で出会った男性講師夏秋の美しさと優しさに「胸の奥がキュンと痛んだような」衝撃をうけ、その講師に会いたいが為だけに塾に通うと決めた。講義を聞く度に更に募るこの気持ちは、ただの憧れなのか、それとも・・・。
怒涛の講義内容とともに語れらる、モテたい男達の事情と、夏秋に向けるられる瑛士の想いの行方は・・・。
というお話なのですが、本書裏表紙のあらすじ部分は、「美男塾」塾頭の箭内氏による塾の説明と、そこで起こった面白い事件 ― 猫かぶりの男性講師(夏秋)に一目惚れした爽やか好青年の塾生(上遠野瑛士)の話 ― を題材に当塾の有用性を是非ご覧あれ、という内容の紹介文になっているんです。これって編集さんのアイデアなんでしょうか? ナイスです!

とにかく、皆さんおっしゃる様に講義の内容が面白いです。出来るものなら一般男性諸氏にも是非一読願いたいものだと思ってしまうくらい、女性がパートナーとなる男性に求めている事柄が具体的に語られています。世の中に「美男塾」に相当するものが実在するならば、参考図書に推薦したくなちゃうくらいの内容です。その分、限りある頁数のなかで、本題であるはずの瑛士と夏秋の恋がしっかり語られたのかというと多少の疑問は残りますが(特に夏秋の気持ちがどういう過程で瑛士に向かって行ったのか・・・)、それでも読み終わった後に不思議な余韻の残る満足感がありました。

自分がBL系の作品に何を求めているのか、その答えの一端があの講義内容の中に見え隠れしていた様な気もします。恋愛・結婚・仕事のパートナーに対して、言いたいけど言えない気遣い思いやりの数々がこの講義の中に詰まっていて、「よくぞ言ってくださった」と思う一方で、現実にはなぜ言えないのかを解っている自分もいる訳です。BLというジャンルだからこそ、あの講義内容が堂々と語られ且つ読者を楽しませてくれるのだとも思いました。それから、男性諸氏にも是非一読を、と言いながら自分を省みなくちゃなぁ、と思わせられるところもありましたね。例えばこんな夏秋先生のお言葉、
女性は表情豊かに相手の話に共感しながら相槌を打ったりするのが得意なんですが、男は感情を露にするように育てられてないし、感情の絡む情報を処理するのに女性より時間がかかるので、女性同士ならすぐ感情移入してもらい泣きするような話でも素っ気ない表情で論理的で批評的な返答をしてしまったりします。
このために、男性も心の中でちゃんと感情が動いているのに、女性にそれが伝わらず誤解されてしまう、という部分。本当にその通りだよ、と胸のすく思いがすると同時に、逆説的にそういう男性の事も理解してあげなくちゃってことなのね。と素直に反省したりしました。

それともう一つ
とりあえず何かお店で買う時は必ずレジの人に「こんにちは、お願いします」「どうもありがとう」最低でもこの二つは声をかけるということをやってみましょう。
・・・・ただ立ってるだけで女性のほうから声をかけてもらえるのは福山雅治くらいと悟りを開き、恥ずかしくても頑張って自分から話しかけてみましょう。モテたかったら自分からアプローチという鉄則を忘れないでください。
前半は男女問わず必要な事かもと思いつつ、後半は意図せずに瑛士焚付けちゃって夏秋先生墓穴掘ってるよ、と笑えました。思えば彼の講義全体が対瑛士的には墓穴堀だったのか(笑) でもそのおかげで新しい恋に向かう気になれたんだから、塾頭の箭内氏の思惑通り「美男塾」の成果が実証されたって事なんですね! 
・・・小林典雅さん、福山雅治ファンなのかしら、何をしても許される美男の例えとしたこの他にも登場してました(^^)

ところで、lucindaさんも紹介されてますが「典雅なる一族・拡大増殖キャンペーン」というのを開催されいるブログがあります。私も思わず賛同したくなりました。シャレード文庫の「老舗旅館に嫁に来い!」「棒投げ橋で待ってて」もネットで注文したので、楽しみです。
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隣の彼
2008-07-23 Wed 23:45
木下けい子 著  
大洋図書ミリオンコミックス 2008年1月15日発行
HertZ band14~19(06~07年)連載

何かとドタバタしていた時期で、うっかり買いそびれていた木下けい子さんの作品です。
先日、岩波ホールに実写映画「火垂るの墓」を観にいった時に、神保町の書泉ブックマートで買いました。あの映画の後にBL本物色するのもちょっとだけ気が引けましたが、昨年の「ヒロシマ・ナガサキ」の後にも行ったしなぁ・・・。神保町に行ってあの書店に寄らない手はありません。他に探してた古街キッカさんの「洋6K2南向き」が見つからず、仕方ないので(?)木原音瀬さん「薔薇色の人生」と山本小鉄子さん「ほんと野獣」にしました。が・・・あそこで新刊本買うのは何か悔しい(笑)

さて本題の「隣の彼」。
一浪の末東京の大学に入学した松田くんは、憧れの一人暮らしを始めた。
しかし、アパートの隣人は不精髭で取付き難そうな、幼い女の子と二人暮らしのちょっと謎めいた男、八乙女さん。最初は近所付合いに不安を覚えた松田くんだったが、しだいに八乙女さんと親しくなっていった。やがて、松田くんにとって八乙女さんは、ただの隣人以上の存在になっていくのだが・・・。
有り勝ちといえば有り勝ちな「隣人」という設定ですが、読者にとっても少々謎な存在の八乙女さんが物語を引っ張っています。あの外見でいったい職業は何なのか? 幼稚園児のはなちゃんと二人暮らしだが母親はどうしたのか? そのそも八乙女さんの子なのか? コワい人かと思ったら案外優しいし・・・、子ども嫌いと言う割りにもの凄く子煩悩に見えるのは何故? とか、松田くんがついつい八乙女さんの事ばかり考えてしまう気持ちが解ります。

あとがきにありましたが、「不精髭とか、アパートとか、子持ちとか、ジヤージとか、年の差とか」などの木下さん的萌えアイテム(?)を詰め込んだというだけの事はありました。

松田くんが、八乙女さんやはなちゃんとすっかり親しんで来て、さてこれからホームドラマな展開になるのかと思いきや、はなちゃんを引取りたいというお祖父さんや、いわく有り気な旧友が登場し、八乙女さんの過去があきらかになって行きます。はなちゃんは、過去を断ち切って松田くんと向き合うためにも手放しちゃうのかな、と思ったけど・・・。でも、はなちゃんには、あのアパートの暮らしの方が幸せそうだったので、戻って来て良かったです。

年上子持ちの「隣の彼」を好きになっちゃった松田くんは、その八乙女さんを本気で惚れさせる事が出来たのかなぁ。方向としては大丈夫そうなんですが、未だ過去に囚われていそうな八乙女さんの気持ちが、真直ぐに松田くんに向いているのか、まだちょっと気になるところです。蛇足かもしれないけど、続きはないのかな? 

それにしても、隣人モノってよくあますよね。最近の新刊でも、
奥田七緒さん「隣人をアイそう」(〔新装版〕ビーボーイ・コミック)
麻生海さん:画/久我有加さん:原作の「隣人はドアを叩く」(ディアプラスコミックス )
が、ちょうど地元書店でも平積みされてました。

作者も題名も思い出せないのもありますが、今までにも、小説・漫画、両方とも何作か読んでますよ、隣人モノ。

その中で印象に残っているのは、漫画では、富士山ひょうたさん「1Kアパートの恋」。
隣人同士が恋におちる話ではなく、隣同士に住む2組のカップルの話なので、厳密には今回の隣人モノとは違いますが、アパートが舞台の名作ですよね。
数日前やっと手にした、古街キッカさんの「洋6K2南向き」、こちらも隣人モノでした。

小説では、柏枝真郷さんの「社内恋愛コンプレックス」が、ふと思い出されて懐かしくなりました。社内恋愛に破れ、その痛手を癒すため一人暮らしを始めた男と、偶然隣室に越して来た同じ職場の新入社員のお話でした。そういえば「硝子の街にて」も隣人モノでしたね。

そんな訳で隣人モノは数あれど、この作品も印象に残る作品になると思いました。
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フジミ回顧録「春の嵐」 
2008-07-19 Sat 22:36
引続き「富士見二丁目交響楽団シリーズ」で泣けた話なんですが、一番の思い出は、実は原作ではなくてCDでした。それもマガジン・マガジンのドラマCDではなく、悠季:堀川亮さん、圭:安井邦彦さんのソニー版イメージ・アルバムの方です。ドラマCDの方は、悠季:置鮎龍太郎さん、圭:増谷康紀さんで、こちらを聴いてらっしゃる方のほうが多いかもしれませんが・・・。

パソ通でフジミを知ったと毎度書いてますが、そもそも話のキッカケは堀川亮さんでした。当時ドラゴンボールにハマっていて、登場人物の中では特にベジータが好きだったんですが、アニメでその声を担当されてたのが堀川さんだったんです。声優さんには詳しくなくて、堀川さんが他にどんな役をされているのか全く知らなかった私に、パソ通仲間が色々と教えてくれました。その中で一番驚いたのが悠季の役でした。

その時紹介された原作小説「フジミ」にとても興味をもって、読んでみたらハマった訳ですが、CD聴くならソニー版ということで、置鮎龍太郎さんの悠季はレンタルで見たOVA以外聴いたことがありません。ちなみに他のBL系CDも、フジミのドラマCDも含めて全く聴いた事がないんです(^^;)

ところで、悠季とベジータってもの凄くギャップがあると思ったんですが、実際に聴いてみると堀川さんは全くの別物に演じてらしたので(って当たり前ですが)、堀川悠季に違和感はありませんでした。そして何枚か聴いた中で、悠季のしみじみと語る場面が印象に残ったのが『春の嵐』(97年3月発売)でした。

97年といえば、原作文庫は悠季の日コン挑戦が書かれた『アレグロ・アジタート』が出た頃で、このCDもその頃を想定している様子でした。シチュエーションは、M響の地方公演に出かけた圭と留守番の悠季が、電話でのやりとりをするという設定です。

「きみと出会った頃の事を思い出していました」という圭に、
「ならほんの1年前の事じゃないか」と返す悠季・・・。
圭 「僕にとって、きみと出会う前の事は、10年も昔の記憶のようです。きみと出会うまでの僕は、どうやって毎日を生きていたのか、もう思い出せないくらいだ」

悠季 「そうだよなぁ。僕としては、きみと出会う前の僕って、孤独な奴だったなぁ、ってね、思う。あの頃はそんなふうに思ったことはなかったけどさ、今から思うと、よくあんなに一人ぼっちでやってたなぁ、って・・・」

圭 「では、お互い出会えてよかったということで」

悠季 「うん。もしきみと出会ってなかったら、僕は一生孤独なままで過ごしちゃったじゃないかと思うよ。そりゃ、友達付き合いとか、たぶん結婚もいつかはしただうけど・・・。でもそういうのって、その人間が孤独かそうじゃないかとは、あんまり関係なくってさ。何ていうか、ほら、誰との関係も付き合いまでにしちゃうっていうか…。

心の底まで曝け出す人間関係って、自分からは作れない人間でさ。だから本当の僕がどういう人間なのかなんて、誰にも知ってもらえないまま、そういう僕って孤独な存在なんだ、なんて事にも気が付かないまんまで、一生を終っちゃったじゃないかなぁ、なんてね、思う。だから本当に最初はどうなっちゃうんだろうとか思ったけど、きみと出会えてラッキーだった。電話だからね、こんな事話せるのは」
この悠季の語りを初めて聴いた時、不覚にも泣いてしまったんです。今聞いても泣かないですし、こうして文字にしてみると更に泣く程の話ではない気がするんですが、目で文章を追うのと違って、耳から入ってくる語りかけは、何だか色々とグルグルしていた当時の自分には、思わぬ不意打ちだったんです。
JUNE小説とは結局、人間の孤独、見すてられた幼な子の孤独、救い、愛、妄執、他の存在への「思い」、そういったものにつきつめられてゆくのだなあと思う。・・・人と自分、自我と自我、愛と孤独。・・・そういう「思い」があること、それを人に伝えたいとのぞむこと、それが大切なのだ。
と、『小説道場』で中島梓先生は言っておられましたが、それを提示して、尚且つその「思い」を肯定的に捉えてやがて報われるものとして語る、それがフジミという物語なのだと思います。そこが古典的JUNEとは少し違っている所かもしれませんね。上の悠季の話は、それを随分と解りやすく語ってくれている訳で、ある意味説明的過ぎるとも言えるくらいです。それがかえって、当時の私には泣けた原因だったのかもしれません・・・。

人間はそれぞれに孤独な存在であるわけですが、他者との関係を密にして、かえってそれを自覚してしまうのが怖いこと思うこともあります。ポーカーフェイスという仮面で唯我独尊を装っていた圭も、八方美人という仮面で人当たりの良かった悠季も、どちらも無意識に(かな?)理性で他者を拒絶していました。でもそれは、内なる魂が希求する他者との関係から目をそらすことであり、その思いが強いからこその臆病さでもありました。

そんな二人が出会い、張り巡らしていたバリアを壊して、自閉的な安全地帯から出てでも向き合いたいと思ったこと、互いがその後押しをする存在に成って行くこと、そんな理想的な相思相愛の姿がそこにはありました。現実の人間関係では中々実行出来ない、だからファンタジーだと思うことも、己の不甲斐なさを自覚させられることもありましたが、そこに癒しを感じていたことも確かです。
別窓 | 秋月こお | コメント(0) | トラックバック(0) | ↑top
フジミ回顧録「コン・マスの光と影」
2008-07-18 Fri 01:17
「富士見二丁目交響楽団シリーズ」は、「寒冷前線コンダクター」が小説JUNE57号(1992年10月号)に掲載され、1994年4月から角川書店ルビー文庫での刊行が始まって以来、ご存知のように現在も続行中の長寿作品です。

私がこのシリーズの存在を知ったのは、98年の初め頃。前にも書いたように、パソ通で知合った秋月こおさんファンの方に紹介され、モノの見事にハマった訳です。その春には小説JUNEまで読むようになって、気が付けばあれから早10年の月日が流れていました。先日読んだ新刊を片付けようと、ここ数年分を合わせてフジミ関連の箱にまとめようと思ったら、懐かしいモノを見つけてしまいました。それは、フジミにハマった当時、印象に残った文章などを書き出していたノート・・・(笑)

それを見て思いだしました。あの頃フジミで泣けたツボを・・・。
96年2月発行の『未完成行進曲』所収「コン・マスの光と影」のお話です。

市民オケからやってきた芳野と、二丁目オケ(フジミ)のコン・マスにどちらが相応しいか争う事になった悠季。課題曲の「アリア」に行き詰る彼を、富士見川土手への散策に誘った圭は、川原におりてブロックの護岸にふたりで腰掛けながら、悠季の肩を抱いて語りかけます。
「僕が初めてきみのバイオリンを耳にしたのは、ちょうどこのあたりだった」
という愛の告白と、演奏家としての自分の資質を疑問視する悠季への慰めを・・・。

それを受ける悠季の目に映っているのは、夜の富士見川の流れでした。
黒い水が音もなくうねっていた。
僕は黒い水の流れに見入った。
その中に沈んで死にたいと思ったわけじゃない。艶をおびた闇が流れていくような夜の川の姿は恐ろしかった。恐ろしくて・・・目が離せなかった。
私は結婚当初に多摩川の側に住んでいた事があるので、その光景が目に浮かぶようでした。夜の川というのは、両岸が明るい街だったとしても、川と川原のある場所はその明るさが届かない真暗な空間を生み出します。本当に、闇に引き込まれそうな怖さがあるんです。それでいて、静謐で神聖な近寄りがたさを醸し出して、何だか人を拒絶しているようでもあるんです。宵闇の富士見川を眺める悠季の心情が、伝わってくるようでした。そして、圭は続けます。
「きみの音色は、僕の固くこわばっていた心にやわらかくしみ込んで、僕に音楽の美しさややさしさを思い出させてくれた。
・・・ここだけの話ですが、僕は泣いたのですよ。
・・・あれは、魂が渇望していたものと出会えた感動だったのだと・・・今にして思います」

「僕はきみを愛しています。
 音楽家としてのきみを愛している。それ以上に、人間としてのきみを愛している。きみという人が愛しくて愛しくてたまらない。
 しかし、どんなに愛していても、僕は僕できみはきみ・・・どんなに願っても、きみの苦しみをこの口に吸い取ってしまうことはできないんだ」

・・・だれにも助けられない自分自身との戦いに敗れてしまった僕を気づかって、僕のために泣いてくれている涙の味・・・
あの頃の悠季の自己嫌悪癖には、イライラしながらも、ついつい感情移入しっちゃてたんですね。既婚30代子持ち専業主婦。世間的には充分大人である自分が、実は誰かに認められ慰められたい願望と、無条件で受け入れられる愛情を求めている、思春期の子どものような甘えを抱いている事実に気付かされてしまった・・・。

今思えば、フジミとの出会いは、そんなモヤモヤした自分との出会いでもあったんです。そしてフジミをきっかけにBL作品を知ってしまった私は、訳も解らずに中毒のようにルビー文庫などを読み漁り、色々と思うところもありましたが、気が付けば10年もBL読み続けているわけです。

フジミおそるべし! そしてありがとう・・・。
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誰がためにミューズは微笑む
2008-07-14 Mon 01:29
秋月こお 著  イラスト 後藤星
角川ルビー文庫 2008年7月1日発行

富士見二丁目交響楽団シリーズ第6部新刊です。前の感想から1年2ヶ月、その間に「アンダルシアのそよ風」「螺旋のゆくえ」と2冊でまして、二人の関係が新たな局面を迎えている今作となりました。
前作「螺旋のゆくえ」で、ソリストとしてM響と共演した悠季と指揮者の圭は、曲の解釈をめぐって揉め、自分を見下したとも取れる圭の失言に悠季は心穏やかではいられなかった。演奏会は成功したものの、二人の間にはしこりが残ったままになった。そして迎えた今作、冷戦状態の悠季に内緒で、彼の教え子たちに力添えする約束をしてしまった圭。怒り爆発の悠季は、何と家出をして別居に踏み切るのだが、その行き先はかつて圭と暮らした五十嵐の部屋だった・・・。
昔々、圭の想いを受け留めかねて悩んだ悠季。圭を愛するようになり、その愛を失う事を恐れ自虐的になっていた悠季。愛する圭を守りその想い応えたいと、勇気をもって立ち向かった悠季。そして今、愛すれど譲れない自身の内面の問題や圭の過去への嫉妬に葛藤する悠季。

二人の関係がラブラブ安定マンネリに陥りそうだったところへ、少しハラハラな展開になって来ました。絶対壊れはしない、ステップアップするだろう二人の関係ですが、互いに愛し信頼し合ってはいても、最期は譲れない自分というものを持っている他者である二人が、どう折り合いを付けて行くのか楽しみです。

ちなみに圭の過去とは、「その青き男」所収の「ある革命」で語られた女性問題です。「ある革命」のもうひとつの過去は悠季に話したけど、更にヘビーなこっちの問題はどうするんだろう、と気になっていたんです。ここで、こんな風に出てくるとは思いませんでした。

今回はまた、ブリリアント・オケでの高嶺との共演もあって久々に海外の話もあります。もちろんソラ君も登場。圭の高校時代の知合い「変人倉」の老人方と悠季の対面場面をはじめ、桐院家の執事井沢さん、弓張りの玄道さん、ニコちゃん石田氏、熟年キャラも健在です。
別窓 | 秋月こお | コメント(0) | トラックバック(0) | ↑top
最近読んだ漫画
2008-07-04 Fri 01:47
今市子さんの「B級グルメ倶楽部」(Dariaコミックス) 3巻が出ましたね。鬼塚×吉野はラブラブカップルのはずなのに、また一段とグルグルしてます。それでも、親戚や学生時代の友人たちの偏見にもめげず、互いへの想いを深めつつ着実に前進してる所がいいです。二人とも愛が深まるとともに大人になっていく感じがします。と言いつつ、まだまだグルグルしそうな二人です。

今市子さん、BLじゃないですが昨年10月に集英社文庫になった「岸辺の唄」も読みました。オリエンタル幻想モノ好きですが、今さんの作品は特に惹かれます。漫画じゃないですが、先月3巻目が出た鳩かなこさん著「帝都万華鏡」(講談社ホワイトハート)シリーズ、小説もいいですが、今さんの大正浪漫な挿絵も作品の雰囲気にぴったりで好きです。

Dariaコミックスといえば、積読していた紺野けい子さんの「愛の言霊」も読みました。映画版、高校時代の話はないものの原作のエピソードを上手くつないでまとめてますね。意外と原作に忠実だったことに感心しました。
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