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逡巡という名のカノン
2007-04-30 Mon 13:26
秋月こお 著  イラスト 後藤星
角川ルビー文庫 2007年5月1日発行

書下ろしの表題作の他、昨年11月発行の雑誌「The Ruby」掲載『過去と未来のロンド ハ長調』を所収した、富士見二丁目交響楽団シリーズ第6部新刊です。5月1日発行になってますが、地元書店で4月27に購入できました。前作『嵐の予感』に引続き、フジミ定演前の夏の物語です。
圭の日記を見てしまった悠季は、新進気鋭の指揮者として世界的活動を始めた圭の悩みを知る。契約しているエージェントの商業主義的方針と、自身の目指す音楽活動との隔たり。その不本意な音楽活動が、愛する悠季との生活から自分を引離していく不満。その一方で、自分の成功を喜んでくれている悠季の期待に応えたい思い。その間で逡巡する圭の葛藤を知った悠季は、圭を救いたい思うのだが・・・。

学生オケの夏合宿に引率者として駆り出された新人講師悠季の苦労話、定演に向けてメンバーの一致団結を図るフジミのガーデンパーティ、エミリオ先生のレッスンなどの話を織り交ぜた、フジミ定演終了までを描いた物語。

そして『過去と未来のロンド ハ長調』は、圭の思い出のアルバムに偶然写ってた悠季の姿をめぐる、二人のほのぼのタイムを描いた短編です。
以前の感想で、このシリーズはもはやBLでなくてもいいのではと思えると書いたのですが、この作品を読みながら、やはり私にとってフジミシリーズはBL的心の故郷なかもしれない、とあらためて思いました。読み始めた頃と違って、二人の恋愛関係をめぐる緊張感はあまりもう感じませんが、二人の伴侶としての在り方や、彼らを中心に繰り広げられるフジミワールドの人々が描き出す人間関係は、何か初心に帰るような思いと、温かさを感じさせてくれます。それはまたBLにハマった頃の混沌とした気持ちを思い起こさせてくれるものでした。

私が初めてフジミと出会ってから10年、その時すでに小説JUNE連載開始から5年が経っていました。今回物語の中で、圭は27歳の誕生日を迎えていますが、24歳の誕生日プレゼントとして悠季が故郷新潟へ圭を連れていて行ってから丸3年です。あの時、両親の墓前で生涯の伴侶となる事を誓い合ったんですよね。圭と悠季の時間は3年しか経っていなくても、読者である私には10年という時間が流れているので、物語の流れ以上に二人はすっかり年季の入ったカップルに思えてしまいます。でも3年くらいじゃ、実はまだまだ新婚さんみたいなもんだったんですね(笑) 長く続いてるシリーズって、そこらあたりの時間の把握が出来なくなってきますね。・・・タクミ君の20年近くでたった1年半は、物語が進んでいるというより、既に「サザエさん」や「こち亀」の領域に近いです(^^;)

ところで今回は、合宿でまたまた発揮させた世話焼き悠季の「親方」復活が楽しかったです。こういう裏方体質でソロの音楽家として大成するのだろうか、と少々心配な部分もあるんですが、悠季のこいうテキパキ働く姿がわりと好きです。

ところで、web KADOKAWAの新刊紹介では何故か
イタリアでのエミリオ先生との再会に気持ちを新たにした悠季は、定期演奏会でのソロ演奏にむけて邁進し始める。しかし、迎えた定期演奏会で、悠季の成功をねたむ評論家から悪意にみちた批評を受けて…!?
となってますが、今回のお話は定演終了までですので、これは夏頃になるという次回作の内容なのでは、とも思います。あとがきによると、秋月先生のご希望で前作『嵐の予感』に書ききれなかた部分を今回の作品にしたそうです。当初の予定にはなかったようですので、こうなってしまったのかもしれません。
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夜に咲き誇る
2007-04-16 Mon 23:13
英田サキ 著 イラスト 山田ユギ
プランタン出版プラチナ文庫 2007年4月発行
『夜が蘇る』(2005年8月発行)、『夜に赦される』(2006年9月発行)の続編です。
前作までのあらすじ
探偵事務所で働いている秋津には、かつて警視でありながら羽生という極道の情人がおり、彼が殺された事でキャリア警察官の道を捨てた過去があった。亡くなった羽生を忘れられずにいる秋津に近づいてきたのは、組の幹部である極道の久我だった。久我の想いにほだされ、次第に惹かれていく秋津だったが、羽生の死についての衝撃に事実を知る。それでも事情を理解し、ついに秋津は極道として頂点を目指す久我ととも生きる事を決心をする・・・。

そして『夜に咲き誇る』は、自身が極道になるのではないものの、久我と生きる為に極道の世界に足を踏み入れた秋津の葛藤の物語。
秋津と暮らす事に喜びを感じ、組長にも紹介する程でありながら、実は秋津に危険な極道の世界へ深く関わって欲しくないと思っている久我。一方、全てをかけて極道である久我をサポートすると決意した秋津は、恋人としてだけではなく、極道世界を共に生きるパートナーとしても、久我に認められ受け入れられる事を望んでいた。

折りしも、跡目相続の時期が迫っているなか、最有力候補である久我に対し、年少の成上がり者と快く思わぬ古参幹部もおり、その立場は微妙なものがあった。強引に我が道を突き進もうとする久我を心配した秋津は、独断で対立する幹部のもとを訪ねた。極道として筋を通せと迫られた秋津の取った行動は・・・。秋津の思いは久我に届くのか・・・。
著者の英田さんは、極妻(?)となった秋津を「いつかまた書いてみたい」と前作のあとがきに書いておられましたが、とりあえず完結なのかなと思っていたので、続編か出たのはちょっと驚きでした。前作でも、過去を吹っ切れり覚悟を決めた秋津は格好良かったですが、更に男前な行動する秋津を見せていただきました。誰にも変えられなかった久我の態度を体を張って改めさせ、揺ぎ無き次期組長への道をつけさせた秋津。さすが姉さん女房、と言いたいところですが、女じゃないから出来た事ですよね。これぞBLの真髄だと思いました。

それはさておき、最近の加齢による記憶力悪化のせいか、どうも久我・秋津と『エス』シリーズの宗近・椎葉が時折ゴッチャになってしまって困る今日この頃です。特にそれぞれ初めて、秋津が久我の、椎葉が宗近の、マンションを訪れた場面。去年『エス』既刊3冊の後に『夜が蘇る』を読んだ時ははっきり区別出来てたはずなのに、『夜に赦される』の時点で「色事師の槙が出てきたのはこっちの話だっけ?」と怪しくなり、『エス・残光』で再び「どっちだっけ?」と思ったものでした。それから5ヶ月、酒場で槙に再会した場面で、またまた「それは、こっちだったんだ」と再確認する始末・・・。そもそも、羽生と秋津の関係を知って久我が秋津に興味を持った事を思い出せば、何故そこに槙が登場する必要があったのかも思い出せるハズなんです。が、椎葉も秋津と同様に仕事絡みの情報が欲しくて、相手が極道だと百も承知の上でやって来る、という似たシチュエーションなのでどうも記憶があやふやになるようです。

でも秋津と椎葉は結構タイプが違いますよね。現役警察官だけど、椎葉の方が何だか危うい雰囲気があってハラハラさせられたし、何だか乙女でした。考えたら年も大分上のせいか、暗い過去に傷つきながらも秋津は中々しっかり者でしたね。勇み足で危険な目にも遭ってるけど、精神的にドツボに嵌らない強さがあって、久我を甘えさせる度量もあるわけですから、大したものです。久我は秋津のお陰で極道の世界で上を目指せそうですが、宗近は足洗って正解でしたね。
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春に嵐-本屋さんでGO!2
2007-04-13 Fri 23:17
角田緑 著 
二見書房シャレードミックス2006年6月発行
「シャレード」2004年1月号~2005年11月掲載分+書下ろし

「小説JUNE」掲載分を単行本で再読したら、やはり続きが気になって続編を書店で探しました。地元書店で見つかったのでラッキーでした。
海外へ転勤かもしれないと佐藤さんを動揺させたPPC出版高橋の異動は、結局海外部門の東京勤務という事になり、仙台から佐藤さんが働く東京へ戻ってきた。だが今度の仕事は書店回り営業とは違い、以前の様に佐藤さんの店に行く用事はなかった。それでも何かと口実を作っては書店に出向く高橋だったが、そこには佐藤さんの元彼だった上司の阿部が転勤で戻ってきていた。ヨリを戻そうとする阿部のアプローチに戸惑う佐藤さんと、二人の過去を知って混乱する高橋。漸く物理的距離が縮まったのに、何故か行き違っていく気持ち。PPC高橋の想いが報われる日はやって来るのか・・・。

一方、悩む高橋に追討ちをかける様な超ブラコン佐藤弟にも、親しく付合う相手が居た。その男は、佐藤兄が阿部と付合っていた当時、同性の恋人を持つ兄の気持ちが知りたくて、一度だけ関係を持った事がある編集者の鈴木だった。実の兄に肉親の情以上の想いを募らせている事を知られ、いつの間にか兄と阿部や高橋との事を愚痴る良き(?)相談相手となっていた。果たして、この二人の関係に進展はあるのか?
『本屋さんでGO!』シャレード連載で完結していたんですね。まだまだ前途多難のようですが、高橋の想いがとりあえずは報われたことを知って、ホッとしました。「小説JUNE」初登場から6年半、意外と長い道程だったんですね。小Jが休刊になってしまってから、ずっと気になっていた作品だったので、完結編を読むことが出来て嬉しかったです。

佐藤さんが素直になれたのは、阿部が彼の気持ちを確かめようと色々と働きかけたからなので、何だか阿部的には墓穴を掘ってる様なのに、それも佐藤さんへの思いやりだと感じられます。高橋を妨害している様にも見える佐藤弟もまた、兄の本心を知っていて高橋に喝を入れている様なところがあります。佐藤さん愛されてますね。

この続編は、この前書いたジュネ版の直ぐ後に読んだのですが、年度末の雑事(仕事ではなく地域活動関係)が忙しくて中々ネットに戻れませんでした。年度末の決算報告の後、新年度の活動計画と予算も出して、ようやく一段落。昨年はこの後もネットサボり癖が出て復帰でず、二ヶ月も休んじゃってました。今年は比較的早めに出て来られてよかったです(^^;)
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