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私的今年のBL小説ベスト
2006-12-31 Sun 20:03
あと数時間で今年も終わりです。
ということで、今年のベストBL小説について書いておこうと思います。この間から考えていたんですが、順位を付けるのがとても難しいですね。ベスト10に絞るのさえとっても悩みました。年間でだと、どうしても最近読んだものが強く印象に残っているので、あまり正確ではないような気がするもの難点ですが、思いつくままにベスト10作品をあげてみました。発行順になっていますので、ベスト順位ではありません。

榎田尤利「ゆっくり走ろう」キャラ文庫 2004年8月
月村奎「きみの処方箋」ディアプラス文庫2004年8月
英田サキ「エス」シャイノベルズ 2005年2月
木原音瀬「箱の中」「檻の外」ホリーノベルズ 2006年3月・5月(以下今年発行)
榎田尤利「犬ほど素敵な商売はない」シャイノベルズ 6月
柏枝真郷「友-FELLOW-」(硝子の街にて22) X文庫ホワイトハート 7月
木原音瀬「リベット」ホリーノベルズ 9月
佐倉朱里「月と茉莉花 ~月に歩す~」 リンクスロマンス 10月
いつき朔夜「八月の略奪者」ディアプラス文庫 11月
烏城あきら「君にもわかるISO」(許可証を下さい!5)シャレード文庫 11月

10作品に絞る為、悩んだ末に外したのが以下の作品です。

月村奎「そして恋がはじまる」キャラ文庫 2000年8月
いつき朔夜「コンティニュー?」 ディアプラス文庫 2006年5月(以下今年発行)
英田サキ「DEADLOCK」キャラ文庫 9月
榎田尤利「きみがいなけりゃ息もできない」ビーボーイノベルズ (復刻)11月

何作もお気入りがあった作家さんが多くて、ほんとに困りました。そして何より今年のベストは、初めて読んだ作家さんが大半だったのも嬉しいことでした。昨年以前からチェックしてたのは、柏枝さんと榎田さんだけす。これもひとえにblogを始めて皆さまの感想を読ませていただいたおかげです。

順位をつけるは本当に難しかったのですが、あえてベスト3作品を決めるなら、

1『君にもわかるISO』  2『リベット』  3『八月の略奪者』

かなぁ~。作品というかベスト作家のような気もしますが、木原音瀬さんの作品では「箱の中」「檻の外」でなくて自分にとっての衝撃度で「リベット」を選びました。「ISO」や「略奪者」は最近読んだからというのも大きい様な気もしますが、シリーズとしても今年のベストに入る「許可証を下さい!」の中でも「ISO」は特に作品としてお気に入りです。「略奪者」は作品が好きだったのはもちろん、作者のいつき朔夜さんへの期待度の高さも加味されていますね。

振り返って今年のマイブームは、働く男達のBL小説だったように思います。先日映画「NANA2」を観て来ましたが、その中でNANAちゃんたちが互いに語りかける独白に「夢が叶うことと、幸せになることは、どうして別ものなんだろう・・・」というようなのがありました。少女漫画が、女性達のリアルな問題として取上げたその葛藤を、あっさりとクリアしているのが、働く男たちのBLでした。自己実現と恋愛を、同時進行で尚且つ相乗作用でより良く成就させて行く、男同士のファンタジーならではの醍醐味でした。

今年はネットで出会った皆さまのおかげで素敵な作品をたくさん読むことが出来ました。皆さま本当にありがとうございました。次はどんな作品に出会えるのでしょうか。来年もまたよろしくお願いいたします。

それでは皆さま、良い年をお迎え下さいませ!
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BL小説は積読本がまた増えました。
2006-12-29 Fri 03:21
先日は漫画について書いた「今年発売で読んだ作品」ですが、11月以降に買った小説についても触れておきます。が、漫画と違って、買ったけれど読んでいない作品も多いです。

まずは購入予定で読んだ本は、
いつき朔夜『八月の略奪者』 新書館ディアプラス文庫 11月
烏城あきら『君にもわかるISO』 二見書房シャレード文庫 11月
秋月こお『嵐の予感』 角川ルビー文庫 11月
ごとうしのぶ『薔薇の下で』 角川ルビー文庫 11月
榎田尤利『きみがいなけりゃ息もできない』(復刻)ビーボーイノベルズ 11月

そして予定通り購入したけどまだ読んでないのは、
木原音瀬『吸血鬼と愉快な仲間たち』蒼竜社ホリーノベルズ 12月

書店で見つけて思わず買ったけれどまだ読んでないのが、
高遠琉加『観賞用愛人』大洋図書シャイノベルズ 9月
月村 奎 『秋霖高校第二寮 (3)』 ディアプラス文庫 10月発行
橘紅緒『朱い熱 私立櫻丘学園寮』大洋図書シャイノベルズ 12月

高遠琉加さんは初めての作家さんですが、
『世界の果てで待っていて』大洋図書シャイノベルズ 2005年9月
を読んでみたいと思っていて、見つからないので新作を買ってみました。
その後古書店でこちらも見つけましたが、どちらも未読です。

月村奎さんも初めてで、ダヴィンチの「このBLに芥川賞」で知った方です。ノミネートされていた『そして恋がはじまる(徳間キャラ文庫 2000年8月)が良かったので、古書店で見つけた
『家賃』ディアプラス文庫 1月と、ちょっと古いのに今年の増刷が書店にあった
『エンドレス・ゲ-ム』新書館ディアプラス文庫 2002年12月
も読んでみました。わりと年の差カップルというか大人と子どもが多いですね。たまたまそういう作品ばかり選んでしまったのかもしれませんが。『秋霖高校第二寮 (3)』は1巻目をゲットできていないので、まだ読んでいません。

そういえば、橘紅緒さんも今年初めて読んだ方です。「私立櫻丘学園寮」シリーズは前2作とも読んでいます。上の作品で完結するらしいのですが、前のお話をちょっと忘れてるので、思い出しつつ読んでみようと思います。どれも読むのは来年になってしまうかもしれません。
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花屋の二階で(1)
2006-12-26 Tue 23:43
二宮悦巳 著 / 原作 菅野彰
徳間書店キャラコミックス 2006年12月発売
Chara 2006年2~10月号掲載

原作はキャラ文庫2000年3月発行『花屋の二階で 毎日晴天!5』で、小説は1998年9発行の『毎日晴天!』から現在も続いている(んですよね?)シリーズです。このコミックスのシリーズも、小説でイラストを担当されている二宮悦巳さんが描かれて、2000年10月発行の『毎日晴天!』から続いています。

ついこの間「今年はもうBL漫画読み納め」と書いたばかりなのに、また読んでしまいました。毎度チェックが甘くてこんな年末にこのシリーズ新刊出るとは知りませんでしたが、好きなシリーズなので書店で見つけたら買って読まずにはいられませんでした。
そもそも原作の小説シリーズが大好きでずっと読んでいたんですが、漫画の方はストーリーもわかってるので読まなくていいかな、と思っていたんです、最初は。それが試しに1冊読んだら、原作を読み直しているようで面白く、止まらなくなりました(笑) 
大学院生の帯刀明信は5人兄弟のちょうど真ん中。上には、南米で行方知れずになっているルポライターの長女志麻と出版編集者の長男大河が、下には、駆出しプロボクサーの三男丈と高校生の四男真弓がいた。小学生の頃両親を失った明信は、気性の激しい姉や兄に迷惑を掛けないよう気を使いながら、幼い弟達の面倒も見て、我儘を言わず泣きも怒りもせず、真面目に健気に家族の中での自分の役割を果たして来た。

前年の夏、そんな明信たちの暮らしに変化をもたらす新しい同居人が、帯刀家にやって来ていた。姉志麻の夫だという阿蘇芳秀とその養子で真弓と同年の勇太。秀は大河が担当するSF作家であり、高校時代の同級生でもあった。そして実は姉とは結婚などしておらず、ほんとうは大河の恋人だったのだ。おまけに、女の子がダメな養子の勇太と真弓も恋人同士に・・・。

自分だけはそっちの道に走るまいと思っていた明信だが、ある朝目覚めると全裸で男と同じ布団に寝ていた。男は幼馴染で姉の友人でもある花屋の龍だった。いったい二人の間に何があったのか。前夜したたかに酔って記憶の無い明信は、事実を確認するのが怖くて何も訊かずに花屋を出た。家に戻ってから熱を出して寝込んだ明信を、心配した龍が見舞に来るのだが、そこで真実を告げられた明信は・・・。
『毎日晴天!』シリーズ、基本は大河と秀のお話なんですが、奥ゆかしく淡々と二人の時間が流れ、一方で締切りの修羅場を繰返す日々の中で、何時の間にか勇太と真弓のお子様カップルに色んな意味で先を越されてます。「その上何と明ちゃんにまで!」と原作でも驚かされたのがこのお話でした。勇太と真弓は、喧嘩しながらも相手を知っていく過程などに教えられる所もあり、けっこう好きなカップルなんですが、龍兄と明ちゃんは、ちょっと微妙です。

前作『いそがないで』では、留学問題で大河と大喧嘩した明信でしたが、大河と仲直りした後も家族の中での自分に居場所に違和感を持っています。このシリーズは、両親を亡くして子ども達だけで頑張ってきた帯刀家の人々が、秀と勇太という他者を迎える事で、家族としての役割に縛られると同時に依存していた自己を開放していく物語です。秀と勇太にとっても同じ事が言えます。で、次は明ちゃんだった訳ですが、兄弟には見せた事のない涙を見られ、窮状を救ってくれた龍に、明信が特別な感情を抱く気持ちはわかります。でもそれ、プラトニックでも良かったのになぁ、という気もちょっとしました。ただ、兄弟が知らない明信の本心とか、他人に見せない龍の心の傷とか、それぞれを少しでも理解してくれる他者がいて良かったなぁ、とは思います。

龍と明信は、今の所ラブラブな恋愛関係になるのかどうか先がまだ見えませんが、何かひと捻りあるんじゃないかしら、と今後の展開に期待したい二人でもあります。
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「日コン」また見そびれました・・・。
2006-12-24 Sun 23:32
毎日新聞社とNHKの共催で行われている日本音楽コンクール(日コン)、今年で75回目を迎えたそうです。毎年10月に行われる本選の様子がNHK教育TVで放送されるのですが、今年はこの16日(土曜)だったようです。2年連続でまた見そびれてしまいました(涙) BSではこれから各部門別の放送があるらしいんですが、うちは地上波しか見られないので、教育TVの放送けっこう楽しみにしてたのに、残念です。

クラッシックに詳しい訳ではないんですが、時々CDは聴いてましたし、N饗アワーなどを見たりもしてました。でも以前はコンクールなんてあまり興味なかったんです。それが一昨年、偶然TVで日コン本選の放送を目にして、認識をあらたにしました。そう、日コン本選と言えば、フジミの守村さんですよね。「なるほど、実際に放送されているんだ!」と、単にBL的興味本位で見始めたんですが、これが実に見応えというか聴き応えがあったんです。もちろんプロではないので、まだまだ完璧な演奏ではない部分もあるでしょうが、本選ともなれば皆さんそれなりに上手いです。それに加えて、初々しい一所懸命さや緊張感が伝わってきて、何とも言えない感動を与えられました。見終わってから、来年は本選を生で見たい、と思ったくらいです。

まず注目したのは守村さんと同じバイオリン部門だったんですが、オーボエも中々良かったです。そしてそれ以上に印象に残ったのはピアノ部門でした。何と言っても、優勝したこの方の演奏が素晴らしかったんです。ピアノってこんなに饒舌な楽器だったんだ、と感動してしまいました。演奏を終えた時の会心の笑顔も素敵でした。他の方のお名前は忘れてしまったんですが、この方だけはしっかりインプットされました。現在は大学院に在籍しながら演奏家としての活動もされているようで、年明け1月にはデビューCDが出るそうです。そして3月にはサントリーホールでデビューリサイタルがあります。実はチケット予約しちゃいました。今からとっても楽しみです。

日コン本選、再び素敵な演奏家さんに出会えるんじゃないか、という期待があって、本気で本選見に行こうかとも思ったんですが、中々予定が合いません。せめてTVで見ようと思ったのに、毎年見そびれてます・・・。来年こそ見るぞ!

上の方のことは現実のお話ですが、フジミでも守村さんの演奏はTVで放送されているので、何処かで密かなファンが生の演奏を聴ける機会を待っているかもしれません。いずれフジミの物語の中で守村さんのリサイタルを聴くことも出来るでしょう。それも読者として楽しみにしています。しかし、実際の日コン本選は、ほんとに学生さんばっかりでした。音大生がほとんどですが、フジミにも登場したように高校生もいました。でも福山先生もおっしゃった通り、守村さんのように音大を卒業して何年か経つ方など皆無でした。

それにしても、フジミを知らなかったら「日コン」に興味を持つ事もなくて、素晴らしい演奏に出会う事もなかったでしょうね。フジミのお陰で生活に潤いが出来たのかも。BLに感謝!

P.S.
これを書いた後、第73回日本音楽コンクールについて検索してみましたら、管楽器はクラリネットではなくオーボエでしたので、書き直しておきました。クラリネットは今年だったんですね。失礼しました。
それから「日コン」って、一般的にもそう言うのかと思ったら、「毎コン」と書いてらっしゃる方が多い・・・。もともとは毎日新聞単独主催だった経緯があるらしく、その頃からの通称が使われているらしいです。「日コン」とは言わないのでしょうか? (12/28追記)
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師走なのにBL漫画な日々。
2006-12-23 Sat 20:26
冬至も迎え、主婦として年末モードに入らなければいけない時期なのに、ついついBLに逃避している今日この頃です。単に大掃除したくないだけですが・・・。

BLは主に小説を読むので、先月も話題しにた「今年発売で読んだ作品」の中でも、漫画は少なかったです。その中で今年初めて読んだ漫画家さんは、『窮鼠はチーズの夢を見る』の水城せとなさん、『キスブルー』の木下けい子さん、『いつか雨が降るように』の国枝彩香さん、それと復刻『災厄のてびき』の草間さかえさんくらいでした。それがこの所何だか漫画づいていて、この1月余りの間に初めての漫画家さん4人の作品を読みました。

西田東『恋をしましょう』(竹書房 5月)・『願い叶えたまえ』(芳文社 3巻8月)
ダ・ヴィンチ9月号の「このBL作品に芥川賞を」の漫画部門にノミネートされていて、西田東さんのお名前を知りました。気になりつつも、ちょっと絵柄が苦手かもと思って今まで手にしなかったんですが、今年の話題作ということで読んでみました。絵柄から受けるイメージと違って、意外にも登場人物が純なのでちょっとびっくり。読者の気持ちをつかむ理由がわかりました。

高永ひなこ『恋する暴君』(海王社 3巻12月)
こちらは、左サイドでリンクさせていただいてる「BLアワード2006」で、現在1番人気の作品です。すみません、それだけの理由で読んでみたのですが、確かに面白いラブコメです。前作の『チャレンジャー』で、主人公の恋路を男同士を理由に阻止しようとする、凶暴な兄が主人公です。弟の事や辛い過去の出来事で、ゲイを毛嫌いしてるのに、何故か男の後輩に愛されてしまう、というお話です。この兄、凶暴で変人ですが、可愛い人です。前作で主人公以上に人気があったのも頷けます。

ホームラン・拳『ぼくとアクマと魔法のことば』『迷仔』(海王社 11月)
先日読んだ『僕は君の鳥になりたい。』が良かったので、こちらの2作も読んでみました。異界からの侵入者と対峙する使魔系が出てくるお話、わりと好きなジャンルかもしれません。お互いが次第に信頼を深めて行くのが良いですね。

鈴木ツタ『hand which』(竹書房 5月)・『この世 異聞』(リブレ出版 11月)
いくつかのblogで感想を拝見して気になっていた『この世 異聞』。ぷにゅたろうさんの「BLエトセトラ。」でも紹介されていて、やっぱり読んでみたくなりました。ご紹介通りセツは魅力的でした。鈴木ツタさん好きです。思わず『hand which』もネット注文しちゃいました。次回作は作家買いすると思います。

さすがにこのあたりで、今年はBL漫画読み納めです。
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きみがいなけりゃ息もできない
2006-12-20 Wed 02:27
榎田尤利 著 / イラスト 円陣闇丸
リブレ出版ビーボーイノベルズ 2006年11月発行

表題作は、2003年9月にビブロス時代のビーボーイノベルズで発行された書下ろし作品です。今回の新装版は、小説ビーボーイ2005年9月号掲載の「きみがいたんじゃ転居できない」も合わせて収録されています。そのせいなのか、お値段が税込み1050円と少々高めでした。新刊情報で値段を知っていたはずなのに、書店でレジに行くまですっかり忘れていて、千円札を握り締めて「これだけじゃ買えない」と慌てました(笑)

この作品は、同じビーボーイノベルズから今年8月に発行された『ごめんなさいと言ってみろ』、10月に発行された 『愛なら売るほど』に先駆けて書かれた、漫画家シリーズの第一作だそうです。『ごめんなさいと言ってみろ』を読んだ時、カバーに書かれている紹介に「マンガ家シリーズ、最新作登場」とあったので、「前作があるの?」と疑問に思っていたんです。この『きみがいなけりゃ・・・』が新装復刊されて納得しました。
「きみがいなけりゃ息もできない」
マニアックな根強いファンは居るらしいが、一般的には売れない少女マンガ家「豪徳寺薫子先生」こと通称ルコちゃんは、本名を二木了という生活能力皆無の青年だった。二木を放っておけない幼なじみの東海林達彦は、美大で再会してアパートの隣の部屋に住むようになってから8年、ずっと彼の生活全般の面倒をみてきた。
そんなある日、二木に大手出版社から新創刊される漫画誌の仕事が舞い込んだ。二木にとってはマンガ家としてステップアップするチャンスだったが、二木の仕事振りをあまり知らない新人編集者は、今まで使ったことがなかったアシスタントを付けて来た。それが、8年当たり前の様に続いてきた二木と東海林の関係に波紋を投げかける事になる・・・。

「きみがいたんじゃ転居できない」
美大のキャンパスで再会し、東海林が二木の隣の部屋に住むに至った、8年前のふたりのお話。
まず表紙の絵を見てビックリです。ルコちゃん、髪ボサボサなのに、女の子みたいな髪留めしてとってもラブリーな表情をしてます。しかも東海林に足の爪などを切ってもらってる様子。パートナーにそんな事してもらうなんて、臨月の妊婦さんか、何か怪我したとか障害がある場合、あとは介護入った超熟年カップルくらいなもんですよ普通。ちなみに私は臨月の時だって、ダンナに足の爪切ってもらったりしてません。ってそれは、ルコちゃんに対するやっかみかも(笑)

榎田作品に登場する生活能力のない主人公といえば、誰もが魚住くんを思い出しますよね。ペットの死にどう対処してよいのか判らず死骸を自宅に放置していたり、部屋にこもりきりで栄養失調になったりとひどいものでしたが、必要以上に散らかさないだけ魚住くんはまだマシです。ルコちゃんは散らかし過ぎです! 「のだめ」ちゃんといい勝負? 双方お風呂入ってないし、ハエ湧いてるし。微妙な関係の隣人が、綺麗好きで料理上手な所もちょっと似てます。でも漫画で描かれるとコミカルなのに、文章で説明されるとコミカルなだけではなくて惨状がよりリアルに伝わってきます。しかも、8年前からその有様は改善されずに続いていたんです。我家も幾分ゴミ屋敷化してるので、あまり強くルコちゃんを非難出来る立場にはないんですが、自分が掃除嫌いなだけに、いくら何でもあれに8年も付合ってはいられません。それは相手がどんな美青年だろうと憎めない性格だろうと、ダメだと思います。

でも東海林は面倒を見続けちゃってたんですよね。自分でも多少の自覚はあったようですが、かなり危ない領域に入っていたと思われます。それでもアシくんの登場で、自分のそんな行動が二木の自立を阻んでいるのではないか、と思ったあたりは、一般的に考えたら至極真っ当な道への軌道修正にみえました。しかし、ルコちゃんは更に危ない領域に達していたんですね。「おまえがいなけりゃ生きていけない」、自分をどう扱ってくれてもいいからそばに居て欲しいとと東海林にすがってしまう。BLなので、これも恋心なんでしょうが、何だかもっと超越した執着というか依存ですよね。JUNE的展開だと二人とも破滅しても不思議じゃないです。

でも二人は破滅なんてしません。ルコちゃんは東海林が自分から放れずに居てくれると信じてから、外では次第に大人らしい行動がとれるようになって行きます。東海林も開き直ったというか覚悟したというか、二木と共に歩む自分を前向きに受け入れているようです。ちょっと考えたら恐ろしい共依存だと思うんですが、それでもハッピーエンドなBLに乾杯!
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俺は悪くない
2006-12-15 Fri 00:23
山田ユギ 著
芳文社 花音コミック文庫 2006年12月発行
2000年に発行された花音コミクッス2巻分(花音1999年10月号~2000年9月号掲載)に、コミックス未収録の続編(花音2006年10月号掲載)と書下ろしを加えて文庫化。

ユギさんの作品は、書店にはない作品も古書店行く度に探して結構読んだつもりだったのですが、この作品は未読でした。文庫化されて良かったです。
「俺は悪くない」コミックス2巻分
中学生の誠は、大好きだった従兄の梶俊明を訪ねた。だが久しぶりに会った俊明は、昔のカッコいい俊兄とは少し違っていた。おまけに居合わせた大学時代の映画研究会の先輩達から、恥ずかしい思い出話を聞くことになる・・・。

大学1年だった俊明は、キャンパス内で偶然見かけたおかしな人びとに惹かれるように、映画研究会に入ってしまった。美青年だが怪しい行動をとる鯨井と柄にも無く可愛い物好きの変人高崎。紅一点(腐女子系ミーハー)の美樹さんと風俗好きの部長、土屋。そして、暗そうでシャイなんだか短気なんだかつかめない同じ1年のメガネ青年中村と出会う。
幼馴染で惹かれ合っている様に見える鯨井と高崎は、何か訳ありの様子で、やがて高崎は休学して東南アジアへ旅に出てしまう。学園祭に上映する映画制作も佳境に入る時期、人手不足を補う為、俊明はドンドン映研活動の深みに引っ張り込まれる。最初は取っ付き難かった中村とも次第に親しくなるのだが、俊明に想いを寄せる山崎(女)が入部して来て、険悪なムードに・・・。

「俺は悪くない その後」花音2006年10月号掲載分と書下ろし
その後、つまり誠くんが中学生になってる現在の、鯨井と高崎の東南アジアライフ。そして、一悶着あった後の俊明と中村の大学時代の回想と、そこから始まった二人の現在、が語られています。
ユギさん御自身もあとがきに書いてらっしゃいますが、同じキャラを描いても6年の歳月で絵が変わっています。私は『ドラゴンボール』と『ヒカルの碁』が好きなんですが、10年・5年の長期連載で、どちらも1巻と最終巻では絵柄が随分違います。同じ作品を描き続けていても違ってくるんですから、連載から6年ぶりに描くというのは難しいものなんでしょうね。御本人もおっしゃる通り、確かに鯨井と俊明は少し別人っぽいかもしれません。誠くんも何だかガキっぽさが抜けて美少年化してます(^-^)

お話の中心は大学時代の映研が舞台で、恋愛モノ青春物語です。でも、20代後半になった登場人物たちが集まっての回想という形になっているので、色々と波乱含みではあっても、過去の思い出として完結している訳ではありません。その展開がその後の皆にどう関わっているんだろう、と今に繋がるあれこれを思いながら読み進む楽しさがあります。そして物語の中でも、回想しつつ現在の問題も進行形で、上手い筋立てだなぁ、と思いました。山田ユギさん、やっぱり好きですわ。
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僕は君の鳥になりたい。
2006-12-08 Fri 23:50
ホームラン・拳 著
海王社ガッシュコミックス 2005年8月発行
Chips! 2005年VOL.2~6 掲載

いつき朔夜さんの『G1トライアングル』でホームラン・拳さんのイラストを拝見し、可愛いのに力がある絵柄に魅力を感じました。コミックも読んでみたいかも、と思っていたら、11月に『迷仔』と『ぼくとアクマと魔法のことば』の2冊の新刊が出てたんですね。書店で、どうしようかなと悩んだんですが、新刊2冊と並んで平積みされていた表紙に惹かれて、この作品を買ってみました。
高校生の小山炯は、開業医の父と義母、そして大学生の姉と表面上は穏やかに暮らしていた。看護婦だった実母は炯が8才の時に交通事故で亡くなっていたが、父が3年前に再婚した義母との関係も良好で、家の手伝いはするし、姉の萌より頼りになるしっかり者だった。でも本当は、家庭の中にもどこにも居場所が無い虚しさを感じていた。恋というものは知らないが、寂しい時に抱いてくれる男の腕を振り払うことも出来ずにいた。
そんなある日、デートの約束に間に合わない姉に代わって、炯が彼氏にその訳を伝えに行った。姉いわく「ポワンとして可愛い」という医大生の藤井は、優しくてカッコいい人だった。姉の恋人なのだから、姉を悲しませたらいけない、と思いながらも炯はしだいに藤井に惹かれていく。生まれて初めて胸を熱くしたのに、それは恋してはいけない人だった・・・。
円満に見える家庭の中で、誰にも見せない炯の本心が痛々しいです。姉も義母も優しいけれど、父親に拒絶された事によって家庭に居場所がないと感じる寂しさ。それゆえに心とは裏腹に人肌の温もりだけを求めてしまう危うさ。そして恋してはいけない人を想う気持ちが生まれて、それは切なさへと変わっていきます。

藤井と姉抜きで会う機会が出来た炯は、嬉しい反面姉への罪悪感からもう会わない決心をします。最初は懐いていた炯が、よそよそしくなった事を心配する藤井。良い子なんだけど、ちょっと自己中なところがある姉の萌ちゃん。炯の事を気にかける一方で、藤井は萌との気持ちの距離がしだいに離れていくのを感じます。母方の叔父で官能小説家の凛太郎の助けもあって、最終的に炯の想いは通じるのですが、姉弟の葛藤もあったけれど、萌ちゃんが明るく割切りの良い子で救われてます。

義母さんに赤ちゃんが出来て、家庭での居場所の無さをより一層感じていた炯ですが、こちらもお父さんの歩み寄りもあって良い方向にむかいます。お父さんも色々余裕が無かったんですね。義母さんも率直で優しい人です。特に凛太郎さん、変人だけど甥姪思いの良い叔父さんで、炯も萌も救われてます。何かみんな良い人なんです。切ないわりに、ほのぼのとした読後感のある作品でした。

小柄でメガネっ子の炯くんが、どっても可愛いです。でも義母さん、夏祭りの夜に女物の浴衣を着せるのはどうかともいますよ(笑) 萌ちゃんとのツーショットがどう見ても姉妹にしか見えません。「毎日晴天」シリーズの真弓くんを思い出しました。そうえば、家庭円満のために自分の役割を演じちゃってた所もちょっと似てますね。

ホームラン・拳さん、人気があるのは知ってましたが、やっぱりいいですね。雀の涙程のボーナスも出た事だし、ドーンと新作も読んでしまおうかしら。
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許可証を下さい!
2006-12-05 Tue 23:07
烏城あきら 著 / イラスト 文月あつよ
二見書房シャレード文庫 2003年11月発行

許可証シリーズ第1作です。『君にもわかるISO』を読んでいたら、今はしっかり愛を確かめ合ってるこのふたりも、馴初めは何だか意外と唐突だったよなぁ、と気になって、1作目を読み返してしてみました。確かに、唐突と言えば唐突でしたね、職場の仮眠室でいきなりキスしてるし・・・。その印象が強かったので、細かい事を忘れてましたが、そこに至るまでの阿久っちゃんが何だか乙女でしたわ。彼らと同じ25歳の頃の自分は、仕事に対しても恋愛に対してもっと荒んだ気持ちでいたので、ちょっと心を洗われるような新鮮さを感じました。
表題作の他、書下ろしを含む2作品を所収。
「許可証を下さい!」シャレード2002年7月号掲載
中小化学薬品製造会社喜美津化学に入社して3年、工場勤務社員としては初の理系大学卒業者として会社発展への貢献を期待されている阿久津弘は、ちょっとした難題に直面していた。今後、所属している品質保証部の仕事にも必要になるので、フォークリフトの免許を取るようにというのだ。自動車とは勝手が違う乗物に苦労する弘に、製造部の組長前原健一郎が指導係をつとめることになった。練習の他、講習への送迎にも弘に手を貸す前原だったが、そんな折り製品への異物混入というトラブルが発生し、昼夜を問わない作業が続いていた。一方で、苦手意識を持っていた前原に親しく接するうち、弘の中に前原への新たな感情が芽生えていく。そして前原も以前から弘には注目していた様子。疲労がピークに達するなかでふたりは・・・。

「クレーム受けます!」シャレード2003年3・5月号掲載
異物混入トラブルは、製品の出荷を未然に防いで解決したが、今度は納入先のメーカーから異物混入のクレームが・・・。複数の業者から原料を仕入れているメーカーに対し、自社製品には異物混入が無い事を証明しなければならい立場の弘は、最強のクレーマーと呼ばれるメーカーの担当者と対峙することになるのだが・・・。

「消火訓練デー」書下ろし
前原を嫌いな訳ではないのに、男同士の関係に戸惑いを払拭出来ない弘は、どうしても前原を避けてしまう。そんな時、工場では消火訓練を行うことになった。そこには消火の専門家でもある大先輩辻本も参加することになるのだが・・・。
オーバーワーク・ハイの勢いで、いきなりそういう関係に雪崩れ込んだのかと思ったふたりですが、阿久っちゃんは中々往生際が悪かったんですね。前原父が「別れろ」と言い出した理由でもある「世間の常識」と、押さえ切れない「自分の気持ち」の間で、揺れていました。こんな時期に前原父が現われていたら、ISOのふたりには会えなかったかもしれません。でもその後、自分の気持ちを自覚し認めた阿久っちゃんは意志強固でした。愛の力ですね。

それにしても、ISOでは前原に対して一歩も引かない勢いの阿久っちゃんですが、最初はこんなに前原が苦手だったんですね。同い年でも職歴では先輩なので敬語でしゃべってるし、その視線や言動にやけに動揺してるし、何か見ていて初々しいです。よく考えたら単に意識し過ぎだった訳で、それは恋の始まり。25歳男子にして乙女でした。

そんな阿久っちゃんと前原の恋の行方もさることながら、このシリーズにグッと惹きつけられるのは、仕事内容や職場の様子の描かれ方です。実は私も安全靴とヘルメットを支給される様なガテンな職場にいた事があるんですが、そんな職場が懐かしくなる程リアルな描写がこの作品の魅力です。私は鉄工所の生産事務だったんですが、次に出荷したい製品を検品にまわしたり、その後で荷札付けてまとめたりするのに、自分でもフォークリフト動かせたら便利だよなぁ、と度々思いました。そんな訳で、突然フォークリフトを運転する事になった阿久っちゃんにも近親感をもちました。パレットという名称なんかもとても懐かしく、「あれって一般的にパレットで通じるんだ」とちょっと嬉くなったりしました。

小ぶりの製品だったら、安全靴に軍手して自分でカラのパレットを所定の位置に運んでそこに荷札を付けた製品を並べておき、出荷担当の男性に次の便のトラックに積んでもらうように頼むんですが、それだって自分でフォーク使ってトラックに積んでおけたら、出荷漏れの心配ないですものね。大きい製品だったり、奥地に置かれちゃった製品だったら、三宅さんみたいな人に最初からフォーク頼まなくちゃいけなかったので、大変でした。阿久っちゃんも苦労したけど、許可証もらえて便利になったと思いますよ、ほんとに。
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