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初めて読んだ作家、烏城あきらさん
2006-08-15 Tue 00:07
blogをやってなかった頃は、読んだことの無い作家さんの本に中々手が出ませんでした。でも近頃は書評系blogさんを拝見する様になったので、その感想に惹かれて新規開拓できる事がよくあります。その中で、次に新刊が出たら是非また読みたい、という作家さんに出会えると嬉しくなります。

近い所では『箱の中』『檻の外』の木原音瀬さんが大ヒットでした。他には、『エス』の英田サキさん、『ダブル・ベッド』の吉田ナツさん、それからここにお立ち寄りいただいた方が紹介して下さった『夢の卵』の鷺沼やすなさんも良かったです。

そして先日は、烏城あきらさんの徳間キャラ文庫新刊『スパイは秘書に落とされる』(イラスト羽根田実 2006年7月発行)を読みました。榎田尤利さんの「藤井沢商店街シリーズ」を読んで、仕事に情熱を傾ける人々の話が面白いなと思っていたところ、皆さんが烏城作品に「仕事についてもきっちり読ませる」という感想を寄せていたので、それは読んでみなければと思い立った訳です。

で、皆さんのおっしゃる通り面白かったです! ちょっとしたどんでん返しは予想が付きましたが、そこに描かれる仕事へのプライドと意気込み、受け君の気の強さなんかもひっくるめて、ラストに向かって益々主人公たちが好きになりました。そんな訳で同レーベルの前作『発明家に手を出すな』(イラスト長門サイチ 2005年10月発行)も続けて読んじゃいました。

次は、二見書房シャレード文庫の『許可証をください!』シリーズも読んでみたいかな、と思ったら、書店には第1作だけ置いてなかったんです・・・。仕方ないので、久々にネット注文してしまいました。烏城あきらさんも、これから新刊待ちしちゃいそうです。
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キャバレー
2006-08-10 Thu 03:18
栗本薫 著 角川書店1983年9月発行
初出誌「野生時代」1983年8月号
(84年12月角川書店にて文庫化、2000年6月角川春樹事務所ハルキ文庫版発行)

著者の栗本薫さんは、ご存知の様に、創刊当時からJUNE誌に関わっていたJUNE小説の祖と言ってもよい方です。JUNEの前進である「コミックJUN」1号が発行された1978年、『ぼくらの時代』で第24回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家として注目される様になりました。そして翌79年、初めてのJUNE系作品『真夜中の天使』を文藝春秋社から出版しています。書店での入手は無理で図書館にて借りましたが、あとがきを読むと、この作品を一般小説として上梓するにあたっての、並々ならぬ覚悟の程が伺えます。

『キャバレー』は直接同性愛を扱った作品ではありませんし、86年角川映画10周年記念作品として、製作・監督 角川春樹で映画化もされています。しかし、物語の舞台や主人公である青年の立ち位置などが、『真夜中の天使』の流れを汲む感じのある、JUNEテイストな作品でもあります。
小説のあらすじ。
場末のキャバレーで演奏するジャズバンドのメンバー矢代俊一は、若い(19才です)がサックスの腕は確かで、ジャズを愛し自分の音を追及するジャズマンだった。店を訪れるヤクザの滝川は、何時も俊一に「レフト・アローン」をリクエストし、その音色に聴き入っていた。ふたりの間には、いつしか奇妙な友情のようなモノが生まれる。だが、女と引抜きに関するトラブルから、俊一はヤクザ同士の対立に巻き込まれて行き、滝川に指を切られる事になってしまうのだが・・・。
私は、映画『キャバレー』公開の前後に、原作の小説を書いた作家として栗本薫さんの名を初めて知りました。当時、映画は観そびれましたし小説も読んでいませんでしたが、予告編か何かで知った物語の内容から、原作者は男性だと思い込んでいました。「薫」って男性女性どちらにもある名前ですし。後に、TVのクイズ番組に出ていた中島梓さんが、栗本さんと同一人物だと知るまで、ずっと男性だと思っていました。

それは何故かと言うと、男女の恋愛などよりも、男同士の間に生まれた情を中心に描かれていたからなんです。映画版では、俊一をトラブルに巻き込む元凶になる女性の他に、原作に無い滝川の元恋人の女性も登場するんですが、それぞれの男女関係が物語を動かす訳ではないんです。俊一と滝川、男同士が互いに影響されあう事の方が、重要な問題になっています。女性が脇に徹している物語だったので、てっきり原作者は男性だと思った訳です。

映画版は監督も脚本も男性なので、よりそう思わせる要素があったのかもしれませんが、原作では一層女性の影は薄いです。俊一と滝川の関係は恋愛ではありませんが、俊一のサックス奏者としての才能と俊一自身への、憧憬にも似た滝川の想いは、友情というには篤過ぎるように思います。そんなところが思い切りJUNEテイストですが、俊一が滝川の名前も知らぬまま、キャバレーを去って新しい自分の道を歩き出すあたりは、『真夜中の天使』とは全くちがって、青年の成長物語としての爽やかさを感じます。

『キャバレー』には続編として、滝川と俊一の再会を描いた『黄昏のローレライ・・・キャバレー2 』(ハルキ・ノベルス2000年10月発行)がありますが、こちらは未読で、只今図書館で予約中です。それから、20代半ばのサックス奏者矢代俊一が登場する『流星のサドル』(クリスタル文庫2006年5月発行)は読みましたが、『キャバレー』の続編というには、俊一が別人ぽいです。滝川とのやり取りを経験した青年にしては、純朴過ぎるというか幼すぎます。同性の俊一に、恋愛としての執着を感じて悩む主人公の視点で描かれている事や、『真夜中の天使』の登場人物、結城や今西良の名前が出て来たりもする事もあって、『キャバレー』の続編というより、『真夜中の天使』系(つまりJUNE系)の作品です。
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男だけの育児
2006-08-04 Fri 22:56
ジェシ・グリーン 著  伊藤悟 訳
飛鳥新社 2001年6月発行

読んだのは、5年も前の発行当時になりますが、とても印象に残る作品でしたので紹介します。著者のジェシさんは、ニューヨークで活躍されているゲイのライターで、パートナーのアンディさんとともに、彼が養子に迎えた二人の男の子を育てています。

この『男だけの育児』は、まだ赤ちゃんだった最初の息子を迎えたばかりのアンディさんと出会うところから始まります。ゲイのジェシさんは、ゲイなのに子持ちのアンディさんと出会うまで、自分が親として子育てをするなど、考えたこともありませんでした。ゲイのカップルと養子の息子、3人の家庭を作り上げていく過程と、二人目の息子を迎えるまでの苦労などを通して、親になるとはどういう事かを描いた自伝的作品です。

翻訳者の伊藤さんは、以前の記事にも書いた「すこたん企画」を、パートナーの梁瀬さんと主宰されています。この本も、すこたん企画のサイト内にある『男だけの育児』コーナーを見て知りました。

異性愛者の夫婦が養子を迎えるのとは違い、法的な伴侶のいないゲイの男性が養子を迎えるには、様々な困難がありました。法律が、親としての資質を問うからです。子ども達に愛情を持って真摯に向き合い、恋人同士としても互いを思いやるアンディさんとジェシさんは、カップルとしても親としてもすごく努力しています。それなのに、法律は親としての二人に中々厳しいです。産んだという事実だけで、何の問題もなく親として世間に認められている異性愛者の私たちは、自分の親としての資質を検証したことがあるのだろうか・・・。実父母からの虐待が多々ある中、何だか矛盾を感じました。

BLにも子育てをする話はよくあります。大概はどちらかの実子か、兄弟など血縁者の子どもという設定が多く、血が繋がらない養子を育てる話はあまりないように思います。しかも、子ども達はよく出来た子が多いですよね、父親の同性の伴侶にも懐くし。現実の子育ての問題とは関係なく、BLの子育ては家族のいる幸せの象徴のようなものです。養子を迎えるとなると、話は複雑になりますので、ノベルズや文庫本またはコミック本1冊で、カップル二人の関係の他にそれまで描くのは無理でしょうね。

そんなBL系作品の中で、他人を養子に迎えて二人で育て上げた物語があります。羅川真里茂さんの漫画『ニューヨーク・ニューヨーク』です。BLテイストですが、著者自身はBLではなく普通の漫画として世に出した作品のようです。ゲイの方にも支持されているようで、実はこの作品も上記のすこたん企画のサイトで紹介されいたの見て読みました。同性を伴侶とした事を家族に受け入れてもらえるまでの苦悩から、養子を育て、二人の人生を全うするまでを描いた、胸に迫るお話でした。文庫版の解説(2巻の)は、伊藤悟さんが書かいていらっしゃいます。

ちなみに、『男だけの育児』を読んだ直後の感想と、当時はコンスタントに発行されていた小説JUNEの「私だけの探美図書館」の記事を『男だけの育児』コーナーに載せていただいております。
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古都の紅・古都の紫陽花
2006-08-02 Wed 02:58
剛しいら 著 イラスト 石原理 ( 雄飛 アイノベルズ )
『古都の紅』(2006年3月発行)
刑事の大門京介は、ヤクザが日本刀で斬り殺された事件を捜査中に、現場に残された刀に関係する刀鍛冶の当麻博雪と出会った。犯行の凶器となった刀「紅」と、博雪が所有する刀「白」は、古の主従の因縁がからむ対の刀だった。二本を一緒にしておかないと、「紅」は持った者に人斬りを誘う殺人剣と化すという。そんな話は信じられずにいた京介であったが、実は、この世の者ではない者の姿を感じ、夢にまで見てしまう体質だった。そんな京介は、刀に込められた古の主従の情念に導かれて、博雪と関係を持ってしまう・・・。

『古都の紫陽花』 (2006年8月発行)
妖刀の因縁で結ばれた後、お互いの気持ちを確かめあって恋人同士となった京介と博雪は、共に二本の刀を守って行こうと心に決めていた。そんな折、またしても刀を使った殺人事件が起ってしまう。その凶器は先代刀鍛治であった父親が造った博雪の守り刀「青丸」だった。博雪は容疑者として拘束されてしまうが、「青丸」は客として博雪に守り刀の製作を依頼に来た女子高生が気に入って、譲って欲しいと言っていたモノだった・・・。
古都鎌倉を舞台にした、ストイックに伝統工芸の技を守る青年と、幽霊が見えてしまう敏腕刑事の物語です。鎌倉って歴史があって古都の趣はありますが、幕府は置かれたことがあっても、天皇が都としたことはないので、厳密には古都ではないんじゃないかとも思うのですが、皆さん古都と呼びますよね。それだけ歴史的重みのある街ということで、若いのに和服を着ている事が多い、美貌の刀鍛冶という設定が生きてきます。「紅」と「白」を廻る、忠誠と愛を誓った小姓と、彼に想いを寄せた主の物語、それも博雪が代々受け継がれた刀鍛冶の跡継ぎであるからこそ、伝え聞いていた話です。

何としても博雪を守りたいという京介の気持ちと、それに甘えず常に姿勢を正して節度を持って向き合いながら、とっても素直な博雪。ふたりだけの時間はとっても色っぽいのに、ふたりとも仕事や世間に対してとてもストイックで、それでいて若い分頑固一徹ではない柔軟性もあり、とても心地よいふたりです。『古都の紅』を読んで気入っていたカップルなので、『古都の紫陽花』も楽しみにしていました。次回作もあるといいのにな、と期待しています。

発行元「雄飛」の Inovels サイトには『古都の紫陽花』ss が読めるコーナーもあります。
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