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ダブルミンツ
2010-02-01 Mon 01:53
中村明日美子 著
茜新社 EDGE COMICS 2009年8月発行

「ダブルミンツ」宙出版雑誌メロメロ 2007年3月Vol.1~2008年11月Vol.9初出
「温室の果実」コミックJUNE 2007年10月Vol.57 初出
「雨」描き下ろし
「ミツオ?」「すぐこっちに来い、女を殺してしまった」
職場にいた壱川光夫の携帯にとんでもない電話をしてきたのは、高校時代の同級生、市川光央だった。卒業以来の再会に「みつおくん?」と呼びかけた光夫は、ミツオに虐められ従属させられていた過去を思い起こす。同じ名前を持つ二人の、あの関係はいったい何だったのか。そしてまた危険な事態から再開する関係はどこへ向かって行くのか…。
二つに切断されてしまったけれど、元は四本ずつの手足と二つの頭と二つの…をもった球体の様な一つの体だった。そんな妄想を抱いてしまう二人の関係は、愛情なのか盲執なのか。みつおの同族嫌悪ともいうような嗜虐的で執拗ないじめに始って、それを受けるミツオの共依存的執着によって、その関係は奇妙に深まっていきます。

裏社会に関わっているチンピラのみつおと、技術者として真っ当に生きていたミツオ。大人になって、同級生だったという以外に接点がなくなっていたはずの二人。そんな同じ名前の二人が再び出会った時、探し求めていた半身を見出したかのように、過去の想いに導かれながら、二度とは別れ難い関係になっていくのでした。

最近読んだ著者作品「同級生」「卒業生」はBLだなと思いましたが、この「ダブルミンツ」はJUNEだなと思いました。みつおとミツオの関係は、ラブじゃなくて執着と渇望です。自己愛的ともいえます。互いの事を理性で思いやる余裕はなくて、社会的に生きる機会を自ら、というか互いに断ち切ってしまう様な行動をとって、二人でいる為に破滅的な方向を選択してしまいます。

描き下ろしの「雨」で、それでも幸せな二人の姿を垣間見られますが、それは壱川光夫と市川光央としては表社会には出られない生き方でした。二人だけの殻に閉じてしまうような幸せ…。二人でいる為に捨てたものと、二人でいることで得たもの…。愛情と執着、渇望と依存。人にとって真の幸せとは何なのだろう…。とても印象残る作品です。

黒髪のみつおとその足を愛しそうにつかむ明るい髪色のミツオ。大人の二人が陰陽の巴の様に体を丸めて描かれている表紙絵は、読み終わった後に見ると一層象徴的なものに思えました。
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