ルビー文庫の思い出
2006-10-16 Mon 18:55
先日、角川書店から『The Ruby(ザ・ルビー)』という雑誌が発行されました。その名の通りルビー文庫関連雑誌です。ルビー文庫はBL系としては老舗ですし、かつては小説道場出身者のデビューの場でもあったりと、わりと思い入れがありました。そんなルビー文庫から初めての雑誌という事で買ってみました。

「フジミ」と「タクミくん」の短い新作小説が載っていましたが、あと知ってるのは近頃読んでない吉原理恵子さんの『子供の領分』だけでした。中村春菊さん原作で藤崎都さんが書いてる人気作『純愛ロマンチカ』も読んだことなかったです。思えばいつの間にか「フジミ」と「タクミくん」の新刊位しか買わなくなったルビー文庫ですが、以前は随分読ませていただきました。

私は「フジミ」でBLにハマったので、初めて読んだBL本もルビー文庫です。その当時(98年頃)のルビーというと、「フジミ」「タクミくん」以外には、尾鮭あさみさんが「ダダ&一也」シリーズの他に「雷&冥」シリーズを書いていたり、斑鳩サハラさんの「悪魔さんにお願い」シリーズや、吉原理恵子さんの学園モノ作品や、須和雪里さんのトンデモ学園系シリーズ(?)があったり、そうかと思うと白金みるくさんの『プラスチィクの卵』シリーズや柏枝真郷さんの社内恋愛系のシリーズもあったりと、と中々個性あふれるラインナップでした。

それと、中島梓さんの『小説道場』を参考にした事もあって、JUNE掲載作品が多かったルビー文庫は、古書店でも探してずいぶん読みました。92年の創刊当時、すでに角川スニーカー文庫から出ていた作品もルビーに移ったのですが、古書店で見つけたそんなスニーカー作品は下記の通り。

栗本薫『終わりのないラブソング』91年
原田千尋『いつもキラキラしていた…』90年 『北点抄』91年
三田菱子『鼓ヶ淵』90年
野村史子『レザナンス・コネクション』90年『テイク・ラブ』91年
ごとうしのぶ『そして春風にささやいて』タクミくんシリーズ 92年

その他、ルビー文庫で思い出深い作品といえば、

吉原理恵子『銀のレクイエム』93年 『影の館』94年
須和雪里『タブー』『サミア』93年
尾鮭あさみ『ミスティ・サークル』ダダ&一也シリーズ 93年
森内景生『夜の館』94年 『花鳥風月』シリーズ 94年
秋月こお『寒冷前線コンダクター』フジミシリーズ 94年
神崎春子『家族の肖像』シリーズ 96年 
白金みるく『プラスチィクの卵』シリーズ 97年
金丸マキ『絶対服従』97年(95年小説JUNE掲載「夕暮れのバス」所収)
剛しいら『帰宅』97年
柏枝真郷『雨かもしれない』厄介な連中シリーズ 96年
湊川理絵『春いちばん』春ちゃんシリーズ 99年

などなどです。上の話とダブってる作品もありますが、ざっと思いつくだけでもこんな感じです。訳も解らずハマって行った頃に読んだので、特に思い入れがあるのだと思います。後から解ったのですが、98年頃というとBL系の文庫が次々創刊された時代で、今思えば地元書店の売り場もかなりにぎやかでした。それでも、何となく明るい雰囲気のそれらの文庫より、当時はJUNE系のルビー文庫が好きでした。

でも何時の間にかルビー文庫の執筆人も代わって、気が付いたら「フジミ」と「タクミくん」しか読む作品がなくなっていました・・・。ルビー文庫自体は、『純愛ロマンチカ』などの人気作品を出すなど、90年代後半とは少し違う路線で健闘しているようですね。そして、より若い読者を想定したティーンズルビー文庫が枝分かれして、その流れをくむビーンズ文庫も創刊され、「まるマ」シリーズや「彩雲国物語」みたいな人気作品も生まれてますね。何といっても、あのNHK教育TVでアニメ化されているんですから、世の中の流れは大変な事になっているなぁ、と思います。
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「犬」というキーワード
2006-09-19 Tue 02:29
夏の盛りに、野暮用で御茶ノ水へ出かけたついでに神保町へ寄りました。古書店廻りもさることながら、書泉(たぶんブックマートの方)の最上階へ行くのが楽しみだったんです。新刊本はもちろんの事、地元書店では見つからない結構前に発行された本もある在庫の豊富さが魅力です。もちろんBL本の。

地元で買いそびれたちょっと前の新刊をゲットした後、タイトルの「犬」と山田ユギさんの絵に反応して手に取ったのが藤森ちひろさんの『犬より愛して』 (大洋図書SHY NOVELS 2005年7月発行)。藤森ちひろさん初めての作家さんです。買っただけで2ケ月程積読だったのですが、そろそろ読んでみようと思います。

そもそも、剛しいらさんの『ボクサーは犬になる』(イラスト石原理 光風社クリスタル文庫1999年4月発行 )から始まる「ドクターXボクサー」シリーズが好きで、飼い主に愛される犬になることを望む受けと、従順な犬を求める攻めに思い入れがあるせいか、「犬」というキーワードが気に掛かるんですね。

ここ数ヶ月では、
『犬ほど素敵な商売はない』
榎田尤利 著 /イラスト志水ゆき (大洋図書SHY NOVELS 2006年6月発行)
『バカな犬ほど可愛いくて』
英田サキ 著/イラスト麻生海 (海王社ガッシュ文庫 2006年8月発行)
に加えて日下孝秋さんの漫画『ポチの幸せ』(芳文社花音コミックス2006年6月発行)なども読みましたが、BL作品の中に犬系というジャンルがあるような気がします。

受けくんが犬な「ドクターXボクサー」シリーズや『犬ほど素敵な商売はない』は、飼い主を裏切らない犬のような恋人を得て、人を愛する事が出来なかった攻めが本当の愛に目覚めて行く話で、受けの健気さがポイントな作品です。『バカな犬ほど可愛いくて』は飼い主を求めるヘタレ攻めの犬くんが、受けの心を動かしていくお話です。恋人同士な関係には至ってませんが『ポチの幸せ』もその系統だと思います。

どちらにしても「犬」の従順さと飼い主への信頼って、良し悪しは別にして、ある意味至上の愛の形なんですね。『犬より愛して』は、ヘタレ攻め系なのかな。
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