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念願の「DESPERADO」読めました!
2011-02-06 Sun 02:43
柏枝真郷さんの「DESPERADO」シリーズ、昨年末に同人誌として2冊が発行されました。JUNEの小説道場に投稿されたあと、雑誌掲載も書籍化もないまま幻の作品となっていた、第1話「DESPERADO」と第2話「TWEHTY YEARS AGO」です。

「DESPERADO」が小説道場で取り上げられたのは、(大)JUNE1989年1月号掲載と思われる第30回、「TWEHTY YEARS AGO」は同5月号掲載と思われる第32回でした。続いて投稿され道場第34回に登場のシリーズ3話「500MILES」は、小説JUNE39・40号(89年10・12月号)に前後編で掲載され、後に「June全集5」(95年9月刊行)に収められました。

その後投稿の「DESPERADO」シリーズ作品は、何故だかJUNE誌に掲載されることはありませんでしたが、91年9月刊行の「時が過ぎゆきても」から順次単行本化され、物語は単行本書下ろしの第2部へと続いていきました。

既刊本については 前にも書きましたが、主人公二人の出会いを含めた最初の2話だけは、これまで22年間も未発表のままでした。この度柏枝さんが、この2作を改稿され同人誌として発表してくださったおかげで、念願だったデスとトニーの出会いの物語をやっと読むことが出来ました。
マンハッタンを思わせる架空の街、イーストリバー市ユアランド。その裏街ミラクルロードで暮らす私立探偵のクラーク(デス)は、亡妻の父で弁護士のジェロームにある殺人事件の調査を頼まれる。

弁護士にその仕事を依頼した被害者である大学教授の母は、亡くなった息子の助手アンソニー(トニー)に、探偵の案内役を頼んでいた。

トニーとともに大学教授の身辺を調査するうち、デスはトニーの過去を知り、その孤独な生き方に、しだいに共感と情愛を覚えるようになるが・・・。
おお、なるほど、そうやって出会ったんですね! 既刊本でトニーの実母と養母の話を読んでいるので、この事件でトニーがどんなに辛い思いをしたか、更によくわかるような気がしました。それぞれ家族を失った二人が、孤独と恐れを乗り越えながら、再び誰かと共に生きようとする物語です。その道は中々に険しい面もあるけれど、あたたかい想いを育ててもいきます。

ところで、「June全集5」所収の「500MILES」以外、このシリーズの投稿作品が全くJUNE誌に掲載されていなかったこと、今回初めて気がつきました。その後投稿の「厄介な連中」シリーズとかは掲載されいるんですが、「DESPERADO」シリーズだけは、JUNE誌掲載なしで単行本化されたんですね。

何故かはわかりませんが、たぶん中島梓先生のお考えだったのではなかろうか、
と思います。あらためて、今は亡き中島梓道場主の、JUNE投稿作品と投稿者への深い思いを考えさせれました。

小説道場第38回(1990年JUNE5月号掲載と思われる)、「WIll YOU LOVE ME TOMORROW」(「時が過ぎゆきても」所収)で初段となった柏枝真郷さんへ、
中島梓道場主は次のような激励を送っています。
書かれる人間が本物になった時、読むものもまた書く方のでなく
書かれたものの人生に感応する。
いま君の書いている愛は確かにほんものだ、という気が私はする。
だから私も一読者になって、どうかこの二人が幸せになってほしいと祈りもするのである。
---- 中略 ----
もちろん二人が幸せになるかどうかなんてだれが知るだろう。自分のことだって幸せになりたいと思いつつちがう方向へゆきつづけるのかもしれないのだから。
---- 中略 ----
柏枝初段お目出とう。
二人を幸せにしてやってよ。もしもできることなら。
「DESPERADO」シリーズを知ったあと初めてこれを読んだ時、泣けてしまいました。そして益々このデスとトニーの二人が愛おしくなりました。

このシリーズ、「オールド・フレイム」で終わったのかと思ってましたが、この度全作を読み直したところ、あとがきに「続く」ということが書かれているのを確認しました。終わってないんですね、まだ続くんですね!「オールド・フレイム」から既に8年が過ぎようとしておりますが、柏枝真郷さま是非続編をお願いいたします!

そしてみなさま、既刊本は只今絶版状態ですので復刊リクエストもよろしくお願いします!
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DESPERADOシリーズ
2009-02-21 Sat 01:53
柏枝真郷 著 イラスト 如月七生(単行本2部・文庫)

〔第1部〕
「時が過ぎゆきても」収録作/AS TIME GOES BY/WILL YOU LOVE ME TOMORROW
  光風社出版1991年、クリスタル文庫1998年6月発行
 
「サマータイム」収録作/SUMMERTIME/DANNY BOY
  光風社出版1992年、クリスタル文庫1998年10月発行
           
「鎖の封印」収録作/BALL AND CHAIN/HOME AGAIN
  光風社出版1993年、クリスタル文庫 1999年月発行5
           
「メルセデスベンツ」収録作/MERCEDES BENZ
  光風社出版1993年、クリスタル文庫 1999月11月発行

〔第2部〕
「オール・イズ・ロンリネス」収録作/ALL IS LONELINESS
  光風社出版1997年発行 

「心の欠片(かけら)」収録作/PIECE OF MY HEART
  光風社出版1999年発行
           
「オールド・フレイム」収録作/THIS OLD FLAME
  光風社出版2003年発行
マンハッタンを思わせる架空の街、イーストリバー市ユアランド。その裏街ミラクルロードで暮らす私立探偵のクラークと、大学生で助手のアンソニー。二人が手掛けることになる事件とその関係者たち、ミラクルロードの人々、その愛憎や喜び悲しみを通して、その中で生きる二人の、愛の深まりとそれ故の葛藤、そして癒しと再生(かな)を描く物語です。
10年前、ちょうどフジミ以外のJUNE作品を探して読むようになった頃、文庫版「サマータイム」が出たのを書店で見つけて読みました。警察官時代に身重の妻を交通事故で亡くしたクラークと、何やら暗い過去がありそうなアンソニー、ズボラな30男と健気な美青年というカップルがすっかり気に入って、以来柏枝作品のファンです。シリーズ他作品は書店では発見出来ず、ハードカバー本を図書館で借りて読みました。

「時は過ぎゆきても」収録作より前に「IF YOU LISTEN」「500MILES」「TWEHTY YEARS AGO」の三作があるらしいのですが、JUNE全集に収録された「500MILES」の他は、JUNE誌に掲載されたのに単行本化されておりません。この三作の中にアンソニーとクラークの出会いも語られていると思うのですが、読めないのがとっても残念です。「AS TIME GOES BY」では、前年にある事件で出会いその後一緒に暮らすようになった、という経緯がクラークによって回想されているだけです。

(※「時が過ぎゆきても」収録作「AS TIME GOES BY」より前のお話は、第1話「DESPERADO」を含め四作でした。また「500MILES」は1995年9月発行の「June全集5」に収められていました。2011年1月25日注記)

藤田恵美さんのアルバム「camomile Best Audio」で「DESPERADO」を聴くにつけ、このシリーズを懐かしく思っていました。11月の読書家さんの復刊「柏枝真郷さん」特集を拝見して、また読みたくなり、図書館で「時が過ぎゆきても」を借りてきました。でも大好きなこのシリーズが絶版のままなんて、とっても残念です。という訳で、私も復刊希望に投票してきました。投票先は、復刊ドットコム『柏枝真郷』 復刊特集です。

11月の読書家さんでは「時が過ぎゆきても」の感想も書かれいます。
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「硝子の街にて」シリーズ
2006-02-02 Thu 02:15
柏枝真郷 著 / イラスト 茶屋町勝呂
講談社X文庫ホワイトハート にて刊行中

1996年の『窓-WINDOW-』(硝子の街にて1)から続く文庫書き下ろしのシリーズ。
ニューヨークを舞台に、アメリカ国籍の日本人青年広瀬伸行と幼馴染のシドニーの恋愛模様を軸にしながら、毎回彼らが遭遇する事件とそれをめぐる人間模様を描くミステリー仕立ての物語です。

アメリカ駐在の日本人商社マン夫婦の家庭に生まれた伸行は、幼少期をアメリカで過ごしました。その時の隣人がシドニーの一家であり、共に一人っ子だったふたりは兄弟の様に仲の良い幼馴染でした。しかし、両親の離婚により伸行は母の実家である東京に戻ることになり、二人は別れ別れに。その後文通を続けるだけだった二人が再会したのは、成人するまで日米二重国籍だった伸行が日本国籍を捨てアメリカ人としてニューヨークへ戻って来た時でした。

ゲイであるシドニーは証券会社に勤める恋人のロッドと暮らしていましたが、伸行の出現は二人の間柄に波紋を広げます。何故なら、伸行はシドニーにとって今も忘れがたく思う初恋の相手であり、ロッドもそれに気付いてしまったからです。気付かないのは、シドニーがゲイであると知っても、幼馴染の親友とばかり思い込んでいる伸行だけでした。そんな微妙な三角関係がしばらく続いた後、紆余曲折を経て、何とか恋人同士になって行くシドニーと伸行・・・。というのが「硝子の街にて18」までの物語の大筋です。

元々ゲイではない伸行への遠慮もあって、こと愛情表現に関しては不器用なシドニー。シドニーを大切な人とは思いながら、彼の恋心に気付かない、恋愛に関してはちょっと鈍感なところがある伸行。ふたりの着かず離れずの微妙な関係が、幼い日の微笑ましい思い出と重なって、甘く切なく純な恋物語を織り成していきます。

そして現代のニューヨークを舞台にしたこの物語は、避けては通れない「その時」を迎えます。それを書いたのが、次のシリーズ19以降の3巻です。

『風-BLOW-』(硝子の街にて19)
サブタイトル:9.11その朝(2005/3/5 発行)

『悼-SORROW-』(硝子の街にて20)
サブタイトル:9.11その夜(2005/8/5 発行)

『暁-SUNGLOW-』(硝子の街にて21)
サブタイトル:9.11その後(2006/1/5 発行)

2001年9月11日その朝。ニューヨーク市警察の刑事であるシドニーと、日本の旅行会社の現地事務所に勤める伸行、そして友人で消防士のスティーブ。この街に暮らす人々にも、この街を訪れている人々にも、いつもと同じ朝が訪れた2001年9月11日。街が本格的に動き出そうとしている午前9時前に、それは突然襲ってきたました。アメリカ同時多発テロ。忙しく喧騒に満ちながらも平穏な日常が、悪夢の戦場と化した、9.11その朝。その瞬間から、伸行が、シドニーが、スティーブが、それぞれの職務を、どんな思いで、どのように遂行して行ったのか。ニュース映像だけでは知り得ない当事者たちの姿を、小説というかたちで描き出しています。

消防士のスティーブが、救命救急士たちと救助した怪我人を搬送した病院で見た、たくさんのDOA(Dead on Arrival=到着時死亡)タグ・・・。殺人事件としてカウントされはしないが、これは明らかに殺人だと思うシドニー。宿泊先に戻らない日本人観光客の安否確認に奔走する伸行。思わぬところで得られた一般市民の協力と機転と勇気がお互いを救う事につながったり、混乱に乗じて悪事を働く不埒者が出没したり。そういう部分を書くには、資料収集や取材が大変だったのではないかと思われました。

フィクションであるこのシリーズの中で「あの日」を描く事の是非を思い、シリーズを「あの日」以前で終わらせる事も考えたという著者の柏枝さん。ボーイズラブという枠に関係なく、迷いを振り払って、真正面から「9.11」を書かれた作家としての覚悟に、敬意を表したい思いで一杯です。

そして、10年に渡って書き続けられたこのシリーズも、次の「22」にて完結するそうです。どういう結末が描かれるのか楽しみな反面、もうあのふたりの物語は読めないのか、という寂しさも大きいです。

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